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坪田信貴『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』を読んで

 坪田信貴さんの本『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』を読んだ感想。

 ビリギャルでおなじみ、塾講師の坪田信貴さんの本。
 「子どもに対して、こんな言い方、声かけ」はやめようという内容。

 中でも「人に迷惑をかけるな」という声かけは、「これこそ、最初にやめたい声かけ」として、その意味を解説されている。

目次

「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけないの意味とは?

 ます、表題になっている『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の真意とは?

 日本では「人に迷惑をかけるな」が常識、当たり前として、ほとんどの親が子どもに言っている。

 しかし著者は、
「これこそが最初にやめたい声かけ」
 と言う。

 キリスト教国には「善きサマリア人」のたとえがあり、「困っている人を助けなさい」という教えがある。
 アメリカやカナダには「善きサマリア人の法」が施行されており、困っている人を助けて、その結果がたとえ失敗でも、責任を問われない。

 人は「迷惑をかけて生きる」のがあたりまえであり、生きていればいろいろな失敗もする。
 「人に迷惑をかけるな」ではなく、「人に迷惑をかけた時は、誰かにお返しをする」と考えた方が健全。

 世界のスタンダードは「困っている人を助けなさい」という積極的道徳
 日本は「人に迷惑をかけてはいけない」という消極的道徳

 世界でグローバル化が進む中、「人に迷惑をかけてはいけない」という道徳観は、自分から動くことを抑制する方向に働くのが大きな問題。

 「人に迷惑をかけてはいけない」ではなく「困っている人がいたら助けなさい」と声かけをしたほうが、ずっと豊かな社会になりそうだということ。

まちがいだらけの「子どもへの声かけ」

 「人に迷惑をかけるな」だけではない。

 大人は、良かれと思って多くのまちがった「声かけ」を、子どもに対してしている。
 世界がグローバル化している今、日本の常識は世界とズレていることもある。

 「空気をよめ」「忖度しろ」という日本的な「以心伝心」も、世界的には通用しない。

 世界で人と関わっていくなら、「空気を読む力」より言語や表現力、論理的思考、交渉力などを含めたコミュニケーション能力こそが大切。

 空気を読んで相手に合わせたり、相手にもそういった対応を求める日本的な価値基準を変えていくべきではないか。
 
 ・・・・といったコンセプトで「世界と日本のズレ」に焦点を当てている内容。

 「人に迷惑をかけるな」「空気を読め」など、日本ではこれまで「正しいこと」として子どもに教え込まれてきたことを、もう一度考え直し、別の言い方、考え方に変えたほうが良い。
 ・・・という内容の本。

『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の感想

 この本に書いてある「言い換え」や「こんなふうに言ったほうがいい」ということば掛けを、すべて実行するのはかなり難しい。

 「人に迷惑をかけるな」ひとつとっても、親が意識を変えて行動しても、世の中、日本社会、古い考え方の年配者などが変わらない限り、かなりの軋轢が生まれそう。

 だからと言って、あきらめて「人に迷惑をかけるな」と言い続けるのも違うと思う。

 まずはできる事から、実行したい。
 「うちの子なんて」という、日本にありがちな「謙譲の美徳」も、グローバル化していく社会ではマイナスだという。

 「あなたはいつもやることが遅い」などの、ネガティブな「ラベリング」も良くない。
 子どもの自己肯定感を下げ、やる気を削ぐ。
 ただ反射的に、どうしても「遅い」とか「ぐずぐずするな」とか「早くしろ」と言ってしまう自分がいる。

 親がどうやったら、変わるのかなあ・・・
 本を読んだくらいじゃ、すぐに価値観を変えられない。

 別の育児のプロフェッショナルな人も言っていたけど、ダメ出しではなく、
「あなたならできる。あなたを信じているから」
 と言ったほうがいいらしい。

 とはいえ、もう確実に遅刻しそうな時間なのに起きない子どもに向かって、
「あなたを信じているから」
 て言えるかなあ。言えないなあ。
「いつまで寝てんだよ!早く起きろ」
 て言っちゃうなあ。

 親の成長を待っている間に、子どもが成人してしまいそう。
 

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