あさイチ|アタッチメントでこどもへの言葉のかけ方接し方

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 2024年5月1日にNHKで放送された「あさイチ」で紹介の「どうする?子どもへの接し方~アタッチメントの子育てスキル」の情報です。

 私もちょうど、子どもが反抗期で困っていました。ああ言えば、こう言う。全然言うことを聞かない。無視する・・・

 今回の「あさイチ」を観て、
「もっと早く、アタッチメントを知っておきたかった!」
 と思いました。永久保存版にしたいくらい、役立つ内容でした。

 番組内容を簡単にまとめます。

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目次

「あさイチ」アタッチメントとは?

 アタッチメントとは、
「子どもが不安を感じた時に、”くっついて安心したい”と感じる欲求」
 のこと。

 番組放送後に関連の本が読みたいと「アタッチメント」というキーワードで検索しましたが、あまり関連の本はありませんでした。

 「アタッチメント」という言葉自体が、日本ではまだあまり浸透していないと感じました。アタッチメントといえばこれまでは、家電製品などの付属品とか、パーツのことだという認識でした。「このマッサージ機は、アタッチメントを付け替えることで3通りに使えます」なんていう時に使うのがこの言葉ですよね。

 ”attachment”(アタッチメント)の意味もやはり、最初に出てくるのは「取り付け、付着、付属物」という意味になりますが、それに続く2番目の意味に「愛情、愛着」が出てきます。

 ここで言う子育てに活用するアタッチメントも、訳すと「愛情・愛着」という意味になるかと思います。

 「愛着」というキーワードに関しては、「愛着障害」という言葉があり、対人関係において不安定であったり、自己肯定感や自己価値感に問題を抱えている場合のことを「愛着障害」と言います。

 私は早速Amazonの電子書籍で「私、大人の愛着障害でした。生きづらかった私がたどりついた楽に生きる方法」を読みました。この本を読むと「愛着=アタッチメント」が何なのか、理解が深まります。

 「愛着障害」は必ずしも、親から愛されていないとか、育児放棄されて育った人がなるわけではありません。親がどんなにわが子を一生懸命育てていても、「子どもが不安を感じた時に、”くっついて安心したい”と感じる欲求」が満たされていない、あるいは満たされないまま育ってしまったことによる障害と言えるでしょう。

 アタッチメントの子育てとはつまり、この「”くっついて安心したい”と感じる欲求」をいかに育児に活かしていくか、ということだと思います。

 日本語では「愛着形成」と言ったり、「愛着行動」「愛着理論」とも言われます。

 「愛着理論」とは、イギリスの精神科医で精神分析家のジョン・ボウルビィが1951年に論文を発表したもの。

 ボウルビィが第二次世界大戦後のイタリアで、孤児院に収容された戦災孤児の発達に関わった時に見いだされたもので、後にこの概念は世界保健機関による親を失った子供たちのための福祉プログラムの根幹となりました。

「あさイチ」アタッチメント理論・理想の親とは?

 今回の「あさイチ」では、この「アタッチメント」を大事にした言葉がけや、行動で子どもが満たされ、親子関係が改善するという内容でした。

 アタッチメント理論に基づく「理想的な親」の姿とは、

 「あたたかみ」 + 「適切な指示が出せる」
 という親。

 「あたたかみ」とは、「見守る姿勢」であり、これがあると子どもには自尊心がはぐくまれる。

 「適切な指示が出せる」とは、「はっきりとルールを示すことができる」であり、子どもの社会性を育てることができる。

 さらに「あたたかみ+適切な指示が出せる」親になるための、具体的な4つの方法は、

1.”声掛け”の黄金ルール
2.伝わる確率7割UPの指示法
3.遊びの中で”ひたすら注目”
4.親の感情をコントロール

 です。

 以下、順にまとめます。

「あさイチ」アタッチメント理論・声掛け黄金ルール

 声掛け黄金ルールその1
【3つのネガティブトークを減らす】
・命令
・質問
・批判

 この3つの声掛けをできるだけ減らす。

 具体的には、以下のような要素があります。

【命令】親が会話の主導権をにぎり、子どもは支配された気分に
【質問】命令や否定のニュアンスが含まれることがある。大人が主導権を握ることになりがち
【批判】子どもの自尊心を傷つけ摩擦を増やす

 例として、宿題しない子どもに対してお母さんが言った言葉、
「これを書きなさい」→命令
「何書くかわかったでしょ」→質問
「ページは自分で調べなさい。100も200もないでしょ」→批判
 でした。

 「宿題やったの?」という質問も、ニュアンスとしては「宿題やってないよね」に聞こえる。子どもには否定されているに等しいので、質問も良くない。「宿題やる時間だよ」というインフォメーション、お知らせにとどめることがおすすめ。

【ネガティブトークをやめてポジティブトークに変換する】
・褒める
・くり返す
・行動を言葉にする

 具体的には、以下のような要素があります。
【褒める】
【くり返す】子どもを受け入れ、理解していると子に伝わる
【行動を言葉にする】親の注目がきちんと子に伝わる

 例として、

【褒める】
「(子どもの質問に対して)よく気付いたね。さすがだよ〇〇ちゃん」

【くり返す】
子ども「約数と公約数の見つけ方」
親「約数と公約数の見つけ方だね」(言葉をくり返すだけ)

【行動を言葉にする】
「君たち勉強してるよね」

【望ましくない行動】
 子どもが望ましくない行動をとった時は、あえて注目をしないことが有効。
 怒らず無視してやり過ごす。子どもが望ましい行動をとリ始めたら「褒める」「行動を言葉にする」を実行する。
「感動した。いいね、〇〇してるね(行動を言葉に)」

 これらのポジティブトークは、1日5分でも効果がある。
 特に思春期手前の7歳くらいから、批判には敏感に反応してしまうため、ポジティブトークが大切になってくる。

 このポジティブトークは、何歳から始めても遅いことはない

 お話は、精神科医の加茂登志子さんでした。

 では、子どもに聞いてもらいたい指示、命令は、どうすればいいのか?

 たとえば姿勢の悪い子には、

◯「姿勢をよくしてください」・・・「どうしてほしいこと」を具体的に言う
✕「猫背はやめてください」・・・否定形で言わない

 「〇〇をやめなさい」は命令ではなく批判になる。命令は「どうしたらいいか」を伝えるのが鉄則。否定的な事を言うと、言葉が耳に残ってしまうというのもある。

 寝る時間になっても子どもがゲームをして寝ない時は、

✕「そろそろ寝ようか」
◯「もう寝なさい(もう寝てください)」

 え?さっきと矛盾していない?「もう寝なさい」は否定形にならないのかという気がします。

 しかし、命令には「直接的命令」と「間接的命令」がある。

 「〇〇しなさい」という命令は「直接的命令」で、親がこうしてほしいということが子どもに伝わる。「そろそろ寝ようか」という間接的命令だと、子どもに選択肢があるように思わせてしまう。「まだ、寝なくていいんだな」と思わせてしまう。

 「もう寝なさい」と言っても寝ない場合は、怒鳴ったりしない。静かな声で「もう寝なさい」と伝えて、心の中で5秒数える。それでも寝ない時は、さらに心の中で5秒数え「もう寝なさい」と言う。くり返すのは3回まで。絶対に親がヒートアップしない。淡々と中立的に言う。

 3回まで言ってもだめな場合は、その命令を無しにする。背を向けて30秒無視をする。さらに親が先に寝てしまってもいい。

 子どもが寝た場合は「寝てくれてありがとう」を伝える。

 直接的命令は必要最低限に絞って使う。1日最低限5個から6個まで。

 また、思春期のお子さんにどう声をかけるか?については、「子どもがリードする関係性のほうがよい」。子どもから水を向けられた時だけ、親は反応する。子どもが話してくる時を待つ。

 物事の期限が迫っていたりして、どうしても親から話す必要があるときは、何かの「ついで」ではなく、話す時間をしっかりと作る。

 子どもが話さないからと言いって、それが良くないという事ではない。順調に親離れが出来ているとも考えられる。

「あさイチ」アタッチメント理論・遊びの中で”ひたすら注目”

 続いて、子どもと遊びの中で「あたたかみ」を伝える方法。思い通りにいかないと暴れたり、感情的になるお子さんにどう対処すればいいかについて。

 国を上げてアタッチメントの子育て支援に力を入れいているイギリスで、子どもの心理療法に詳しいジェニファー・ウェイクリンさんが開発した「Watch Me Play!(ウォッチ・ミー・プレイ)」を紹介。

 ウォッチ・ミー・プレイとは、世界15カ国で活用されている「気持ちが安定し、癇癪など衝動的な行動が減る」と報告されているもの。対象年齢は生後数週間から 5、6、7歳まで。やり方は1回5分~20分、子どもを自由に遊ばせ、親はそれに注目するだけ。

 ウェイクリンさんによる解説。
「注目された子どもは”親との直接的なつながり”を感じます。5~20分の注目だけで心が満たされ、子どもは安心します。すると子どもは(親をひきつけるために)たたかう必要がなくなります。かんしゃくを起こしたり、泣いたりする必要がなくなるのです」

 ウォッチ・ミー・プレイのポイントは、

1.子どもが自由に表現できるおもちゃを選ぶ(お絵描き、粘土など)
 ※電池で動くおもちゃは、ただ見ているだけで「時間」が過ぎてしまうので、あまりおすすめではない

2.この時間の主導権は子ども
 決定と選択は全て子どもに任せる。「好きなもので遊んでいいよ」と言って、子どもが誘わない限り親は遊びに参加せず、ひたすらじっと見守る。

3.遊びを言葉で表現する
 親は子どもの動きを実況したり、感じていそうなことを言葉にして話したりする。
 子どもの粘土を見て「こねこね、長いのできたね」「ぐるぐるぐる」など、子ども遊びを見たまま、親は言語化する。
 自分の興味のあることに親が関心を寄せているとわかると、子どもは安心できる。
【NG】
・頼んでいないのに先回りする(「これとこれ、やっていい?」)
・先回りして言語化してしまう(子どもが言っていないのに「〇〇みたい」)

 ウォッチ・ミー・プレイは元々、里親の養育支援のために開発されたもの。それが効果があるということで一般家庭に広がっている。マニュアルは無料で公開されている。

↓マニュアルはこちら(PDF)
Watch Me Play養育者のためのマニュアル

「あさイチ」アタッチメント理論・親の感情をコントロール

 子育ての中で親がつい、イラッとする時はどうするか?
 子どもにカッとなった。自分を見失い、親が余裕がなくなる。

 そんな時は、
「シャーク・ミュージックが鳴っている」
 ととらえる。シャーク・ミュージックとは、映画「ジョーズ」のテーマ曲。

 ジョーズのサントラ、私のような昭和世代にはわかるけど、若いお母さんにはちょっとピンとこないかもしれません。映画「ジョーズ」はサメが襲ってくる恐怖映画。静かに恐怖が近づいてくるという意味での、「ジョーズ」のテーマ曲を例に出したのだと思います。

 それでもイライラが収まらない時は【タイムアウト】という方法。
 子どもから意識的に離れることで、子どもの安全を確保した上で、
・家を出る
・トイレに行く
・目を閉じる
 ・・・などして、心の冷静さを取り戻す。

 冷静さを取り戻したら、子どもの元に戻る【タイムイン】という方法。
 甲南大学教授の北川恵さんによる解説。

 タイムインする時の声掛けとしては「厳しすぎる」のも「弱すぎる」のもNG。

 「厳しすぎる」言い方の例(NGの言い方)
「さっきの言い方は謝るけど、怒らせたのはあなたよ。〇〇をやめなさいと言った時にすぐ聞くべきだったのよ」

 「弱すぎる」言い方の例(NGの言い方)
「ごめんね。さっきの言い方はダメだったね、許してくれる?〇〇したいなら続けてもいいよ、もう泣かないで」

 理想的な言い方は、
「ごめんね、今の言い方はダメだったね。私は怒っていたの。あなたは嫌な気持ちになったでしょうね」

 子どもの気持ちも受け止める。親側として伝えたいことも伝えていく。その両方を伝えていくという工夫をしていくことが大事。

 子どもはいくつになっても親からの関わりを求めている。それぞれ親が、自分らしいやり方でやってもらっていいと思うが、その時の子どもの様子を見る。「ああ、ちょっと違うな」とサインを感じたら、そこからやり方を修復していく。

 親が感情的になってどうしようもない時は、親も助けが必要。そんな時に夫婦で支え合えたり、親同士が「みんな同じだよね」と悩みを分かち合えたりすることも大事。

 以上が今回の「あさイチ」のまとめです。

NHKスペシャルのアタッチメント特集

 なお、アタッチメントに関しては2024年5月4日の午後10:00から午後10:49に、NHKスペシャルで特集「アタッチメント “生きづらさ”に悩むあなたへ」も放送されました。「見逃した!」という方も「NHKプラス」で5/11(土) 午後10:49 まで視聴できます。

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