あさイチ|今ブームのロングセラー本についての読書感想

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 2024年6月27日のNHKで放送の「あさイチ」で紹介の「ロングセラー本」に関する情報です。

 「今、なぜか、何十年も前に出された本が、若者に人気」と紹介されたロングセラー本。

 私自身が読んだ本もあるし、読んだけど途中で挫折したものもある。我が子に買い与えたのはまさに「アルジャーノンに花束を」だ。

目次

「チーズはどこに消えた」より「へーけはどこへ消えた」

 ざっくりとだけど、紹介された本の中で私が読んだ本の感想を述べたいと思う。

 まず、なんといっても「チーズはどこへ消えた」。

 話がちょっと横道にそれるけど、「チーズはどこに消えた」が出版された当初(2000年)、こんなことがあった。

 当時私が勤めていた会社に「3分間スピーチ」という制度があった。社員が順番に、朝礼で3分間スピーチするというお決まりのアレ。テーマは自由だったのだが、ある時、先輩社員のKさんが「今日は、私のおすすめの本を紹介します」とスピーチを始めた。私は心の中で「Kさんって、どんな本を読むんだろう」と興味深く、話を聞いていてたら、
「私のおすすめの本は、『チーズはどこに消えた』です」
 だった。私は内心「ガクッ」となって、落胆した記憶がある。

 「チーズはどこに消えた」は出版された2000年にもベストセラーだった。私ももちろん、すぐに読んだ。薄いのであっという間に読めるのだ。


チーズはどこへ消えた? (扶桑社BOOKS)


 ただ人に「私のおすすめの本」と紹介できるか、どうかというと、私は紹介しないだろう。「チーズはどこに消えた」を「私のおすすめの本」と紹介する人は、私の中では(あくまでも個人の感想です)、

「あまり、本を読まない人」

 だ。

 だからKさんの3分間スピーチでも、がっかりした。

 すごくわかりやすく、平たい文章で「物事というものは常に変化する」ということを教えてくれる本。大人のおとぎ話とも言える。わかりやすい文章だけに、奥が深いという人もいるだろう。ただ私の印象としては、ものすごい「うす味」な内容で、読み終えて「これで終わり?」と驚いたほどだ。

 日本にはもう、千年近くも前から「祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり」の名文で始まる「平家物語」という名作がある。

 私は「チーズはどこに消えた」を読むくらいなら、少なくとも日本語ネイティブの人なら、平家物語を読んだほうがよっぽど、ためになると言いたい。アメリカ人て、こんなふうにおとぎ話にしないと「諸行無常」が理解できないの?て思ってます。

「でも平家物語は難しいよ」
 という方に、超絶おすすめのマンガがあります。中公文庫のマンガ日本の古典シリーズの「平家語物 」です。

 「チーズはどこに消えた」を読むくらいなら、「ヘーケはどこに消えた」読んでください。


平家語物 (上)―マンガ日本の古典 (10) 中公文庫 (中公文庫 S 14-10)

ロングセラー本「窓際のトットちゃん」の感想

 黒柳徹子さんの自伝的小説「窓際のトットちゃん」は文句ない名作。私は出版当時(1981年)に初版で読んだけど、我が子にも読ませたいと文庫で数年前買い直した。

 徹子さんの小学生時代のエピソードが、生き生きとした文章で綴られている。うちの子はトットちゃん(徹子さん)が学校のトイレ(今と違って、汲み取り式トイレです)に財布を落とすエピソードに驚愕してた。

 何より驚いたのは、トットちゃんが最初の小学校を退学になるエピソード。

 1981年といえば、黒柳徹子さんが「ザ・ベストテン」や「紅白歌合戦」の司会などで大活躍していた時代。知的で、英語も喋れて、ファッションセンスも抜群。今のような「かなり個性的なおばあちゃん」キャラではなく、バリバリに仕事のできる女性のイメージだった徹子さんが、

「おたくのお嬢さんがいると、クラス中の迷惑になります。よその学校にお連れください!」

 と言われ、違う小学校に転向するところから物語が始まる。

 今、改めてうちにある文庫を読みながら書いているけど、エッセイ風だと思ってた私の記憶は間違いで、小説仕立てになっている。

 作者は黒柳徹子自身だけど、一人称の「私は、〇〇でした」という文章ではなく、「トットちゃんは、〇〇でした」という三人称になっている。

 私は長年(1981年に読んだから43年間)エッセイ風な一人称だと思っていたのだが、我が子に買った文庫を改めて読んだら三人称の小説だった。ただ小説といっても児童文学のようなわかりやすい文章だ。

 着席してじっと授業を受けることができなかったトットちゃん。授業中に窓際に立って「チンドン屋さーん」と外に向かっ叫ぶトットちゃん。それで小学校を退学になったトットちゃんが、新しい学校でどう変わっていくか、驚きと、新鮮さと、人って環境や教育が変わると、こんなにも成長するんだということがよくわかる。

 まわりに馴染めなくて、浮いている子が実は「ギフテッド」などの、生まれつき知性が高く、特定の能力が突出している子の場合もある。徹子さんはよく「徹子の部屋」で、
「今、思うのは、私はLD(発達障害の一種)だったんだということです」
 とお話しされているけど、私はギフテッドでもあったのでは、と思う。

 とにかく「黒柳徹子の何がすごいのか」がよくわかる、戦後最大のベストセラー。


窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫 く 10-2)

ロングセラー本「深夜特急」の感想

 有吉弘行さんがまだ「猿岩石」だった時代、ヒッチハイクの旅に出る「電波少年」の企画「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」が大ヒット。1996年頃の話だ。

 「猿岩石のあれは、沢木耕太郎の深夜特急という本が元になっているんだ」と知って読み始めたのがその数年後。面白くてあっという間に全巻読んだ。

 猿岩石のヒッチハイクが1996年の放送だからかなのか、Amazonの「深夜特急」1巻のトップレビューに「1990年代が舞台」と書いてあるがこれは間違い。「深夜特急」の舞台はもっと古い1970年代だ。

 物語の始まりは1974年春の香港から始まる。つまりもう半世紀も前なのだ!

 私自身が「深夜特急」を読んだ1990年代後半からもすでに30年近い年月が経っている。ヒッチハイクの旅でガリガリ、ボロボロになって帰国した有吉弘行は、一度底辺まで沈んだあと、再浮上して紅白歌合戦の司会者になっているし、世の中、大きく変動している。だからある部分は「昔の話」として読む必要もある。

 ただ、おそらく、この本に出てくるような「バックパッカーになって、アジアを彷徨っている世捨て人のような人」は間違いなく、今もいるだろう。著者がどこかの国で見た、1日数百円で宿泊できる木賃宿の、麻薬中毒の若者。今も、アジアや中東のどこかの安宿にいるのではないか。

 自分とはまったく別の人生がそこにあると思いつつ、ふっと明日から、そんな旅人に突然なるかもしれないと思わせる本。ちなみに文庫で全6巻ある。ハマったら一気に読めるけど、なんだこれ?という人もいると思います。


深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】

「あさイチ」ロングセラー本・その他の本

 以下は「あさイチ」で紹介されたロングセラー本の中でも、私が最後まで読めなかった本

ハリー・ポッターと賢者の石

 言わずとしれたJ・K・ローリングの世界的ベストセラー。魔法使いのハリー・ポッターの物語。私は、ホグワーツに入学するまでの話は面白かったけど、その先で挫折した。ファンタジー小説は読者を選ぶ。向き不向きがあるのだ。私は不向き。トールキン系の北欧神話は好きなんだけどなあ。

漫画 君たちはどう生きるか

 「あさイチ」で紹介されていたのも漫画版だった。漫画の部分は読みやすいが、今ひとつ作者の真意がつかめない。途中にある文章の部分もかなりの量があって、私にはあまり刺さらず、途中で挫折した。「どう生きるか」の答えが書いてあるのかと思いきや、そうでもなく、なにかちょっと、大きく期待して読んだだけにがっかりもした。Amazonのレビューに「テキスト部分に「どう生きるか」ということについていろいろ上から目線でくどくど書いているのだが、私は、途中でイライラして読むのをやめた。」という意見があって、まさにそんな感じ。

ソフィーの世界

 出版当時(1995年)、非常に分厚く大きい初版本で読み始めたが、途中で挫折した。主人公の少女に謎の人物から次々届く手紙。そこには実在する哲学者や哲学の思想が解説されていて、軽く「手紙の主は誰なの?」というミステリーにもなっている。

 最後まで読むと、手紙の主の正体や手紙を送った意味などもわかるのかな?(挫折したので予測です)。面白い部分もあるんだけど、とにかく長い。そして「世界で一番やさしい哲学の本」と言われているとはいえ、哲学はやっぱり難しい。それぞれの哲学的解説を自分自身で深く考察してしまい、全然先に進まず、挫折してしまったけど、再挑戦したい。

星の王子さま

 とても薄い本なので、最後まで読んだ気もするけど、覚えていない。「チーズはどこに消えた」と同じ種類の大人のおとぎ話。ぎゅっと煎じ詰めると「かんじんなことは 目に見えないんだよ」ということを伝えたいのだと思う。

 昔、箱根に「星の王子さまミュージアム」という博物館があって、20年くらい前、突然、夫からそこに行こうと言われて、尋ねたことがある。いまだに、なぜ、まったく本を読まない夫が「星の王子さまミュージアムに行こう」と言い出したのか、わからない。行ったとて、サン・テグジュペリも「星の王子さま」もよく知らないのだから、何を観て、何を考えればいいのかもわからず、何度も「なんで、ここに来たの?」と問い続けたけど、夫は「うん」「別に」と、はっきりと答えなかった。

 このことを思い出すたびに「かんじんなことは 目に見えないんだよ」という言葉がよみがえるんだよ。

アルジャーノンに花束を

 実は、半年くらい前に買って、読もうと思っている本。

 買った理由は、我が子が学校の国語の先生から「君たちに絶対読んでほしい。強くおすすめする」と言われて、読みたいと言ったから。

 私はそれなりに読書家だと自負しているけど、我が子はあまり本を読まない。そりゃ「全く本を読まない夫の遺伝子」が半分入っているからね。しょうがないや、と思っている。

 そんな我が子が珍しく「買ってほしい」と言った本。買った直後は読んでいたけど、結局4分の1くらいで挫折したらしい。

 なので、私が、これから読みます。

 以下は全く読んだことがない本。

ぼくらの七日間戦争

 Amazonレビューにあった、「57歳の著者が中学生が主人公の小説を書いた」という感想を読んで、そうなんだと思う。まだ十代だった宮沢りえが女優デビューした映画の印象の方が強い。中学生が立てこもる話と知って「金八先生の腐ったミカンとどう違うのか?」という気もする。「金八先生2」の、放送室に立てこもった加藤が中島みゆきの「世情」をBGMに機動隊によって連行される場面は、リアルタイムで中学生だった私達の心に突き刺さったけど、それを超えることができるかな?

デューン 砂の惑星

 本当に知らない。あらすじを読んだらガチガチのSF。Amazonレビューにも「ハードなSF」「SFの金字塔」とあり、尻込みする。過去の映像化も何度もされていて、映画監督のドゥニ・ヴィルヌーヴが製作する「デューン 砂の惑星」は通算5度目の映像化だって。ざっくり言うと「スター・ウォーズ」的な物語か。実際に作者は『スター・ウォーズには『デューン』から流用した設定等が数十個ある』と語っていたらしいし、ジョージ・ルーカスもそれを認めるような発言をしている。「砂の惑星」がなければ、スター・ウォーズはもっと違うストーリーだったかもしれないのだ。興味深いけど、このタイプの本は挫折しがちなので手が出ない。

 以上が「あさイチ」で紹介された「今、なぜか、何十年も前に出された本が、若者に人気」のベストセラー本。

 実際に「若者に人気」かどうかは、微妙。少なくとも我が家の若者には「アルジャーノンに花束を」と「窓際のトットちゃん」が少しだけ刺さったくらいで、「ハリー・ポッター」も「君たちはどう生きるか」も「星の王子さま」も素通りされた。「ソフィの世界」や「砂の惑星」なんて絶対、我が子は読まないだろうな。どうしたものか・・・

 読書好きに育てたかったけど、どうも失敗だったみたい。0歳の時から絵本を沢山読み聞かせし、本だけは無制限に沢山買い与えてきたし、Amazonの子ども用電子書籍の読み放題サービスも利用させていたけど、結局今、スマホしか見ない子に育った。本当に無念。

 読書文化って、このまま廃れていくのかなと、不安になる。目黒考二さんのご逝去は本当に残念。本好きはこれから、何を指針にすればいいのか。

 私ら昭和世代が若者に「もっと本を読め」と言っても、あまり影響力がない。

 若手の「本好き」「活字中毒」のインフルエンサーもいるんだよね?そういう方々を、もっとこういった情報番組で取り上げて、若者に読書の楽しさを啓蒙してほしいものだ。

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