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蔦屋重三郎の読み放題本の要約からわかる「べらぼう」今後の展開

 2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」のモデルとなっている実在の人物「蔦屋重三郎」に関する情報です。

 蔦屋重三郎とは、どんな人だったのか?

 大河ドラマが面白くて、先のストーリーが気になったので、蔦屋重三郎の実際の人生を深堀りしてみました。
 蔦屋重三郎に関する伝記や、解説本は沢山出ています。
 私は、Amazonの電子書籍読み放題サービスKindle Unlimitedや、読み放題の電子雑誌サービス「dマガジン」に加入しているので、まずはその中から面白そうな「蔦屋重三郎関連書籍」を読んでみました。

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NHK大河ドラマ「べらぼう」の徳川家に関する相関図 NHKの大河ドラマ「べらぼう」の徳川家に関する相関図を作りました。寺田心さんや生田斗真さんが演じている「徳川御三卿」と、将軍の関係。田沼意次と田沼家のその後に関しても。
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dマガジン『蔦屋重三郎の真実100』

 Googleで「蔦屋重三郎 読み放題」で検索して、最初に出てきたのがdマガジンの「蔦屋重三郎の真実100」。イラストや図、相関図などビジュアルが多くて、楽しく蔦屋重三郎が学べるムック本です。

 余談ですが朝ドラ「虎に翼」が面白かったので、モデルとなった弁護士・三淵嘉子の伝記を電子書籍で買ったのですが、やはり文字だけの本だと退屈して途中で挫折しますね。

 「蔦屋重三郎の真実100」は最初からひと目見てよくわかる「年表」が出てきて、蔦屋重三郎と同じ時代に生きた、将軍から謎の浮世絵師まで、多くの人の年齢と没年などがわかります。

 田沼意次は蔦屋重三郎との交流はなかったのかとか、写楽はたった10ヶ月で消えたのかなど、蔦屋重三郎の年齢と重ねて比較できて面白い。

 大河ドラマでは育ての親が「駿河屋」なのに、なぜ蔦屋を名乗るのだろう?と思ったら、史実では親が離婚して「引手茶屋 蔦屋」の養子になったから、蔦屋重三郎になったこともわかった。

 蔦屋重三郎は「大江戸のハイパーオーナー&メディアクリエイター」という図によると、現代風に言って書店会社のCEO、取次会社のCEO、印刷会社のCEO、出版社の4つの顔プラスそれらの蔦屋重三郎ホールディングスのオーナーとある。世界的なメディア王・ルパート・マードックも真っ青の大メディア王です。

 NHKともコラボしているので、大河ドラマの画像入り人物相関図もある。

 それによると、蔦屋重三郎の妻は「てい」で橋本愛。え?つい最近の大河「青天を衝け」でも主人公の妻役だったのに?て驚きつつ、2度目かと思ったら「西郷どん」でも西郷隆盛の妻役だったので、大河の主人公の妻役3度目だって。ちょっと多すぎでは・・・

 あと、幼馴染の花の井(小芝風花)との関係はどうなるのかと思ったら、花の井は当時の名花魁の名跡「瀬川(せがわ)」を襲名して「5代目瀬川」になる。その直後、安永4年(1775年)瀬川は高利貸しを営む盲目の鳥山検校(とりやまけんぎょう)に落籍。その額1400両は、現代の貨幣価値で1億を超えるという大金。瀬川は5代目を襲名したばかりだったから、江戸中が驚いた。しかし安永7年(1778年)幕府による高利貸しの取り締まりで鳥山検校も処罰。五代目瀬川の足取りは不明とのこと。

 「べらぼう」4話の冒頭で田安徳川家の2代目当主・田安治察が急死したのが安永3年(1774年)だから、瀬川の落籍まですぐじゃないですか。

 全体的に画像・イラスト・相関図が沢山あるので、文字を読まなくても蔦屋重三郎の生きた時代背景と人間関係がよくわかる本です。

Kindle Unlimited『東京人 2025年1月増刊 特集「台東区で旅する 蔦屋重三郎と江戸文化」 』

 Amazonの電子書籍読み放題で読める、『東京人 2025年1月増刊 特集「台東区で旅する 蔦屋重三郎と江戸文化」』は、まず巻頭に「べらぼう」の脚本家・森下佳子さんのエッセイがあって、以前勤めてた会社の戦略と、蔦屋重三郎の仕事の手法に共通点を見つけたと書いてある。

 以前勤めてた会社ってどこだろうと調べたら、リクルートだった。

 森下佳子さんは東京大学を出たあと、リクルートに就職し、住宅誌の編集者をされていたそう。
 余談だけど編集者、私も若い頃に憧れて、中小の出版社や新聞社で働こうと、就活したが、結局編集者では仕事は見つからず、零細企業の出版社で事務の仕事に就いた。

 蔦屋重三郎の面白さは、特に「出版業」や「広告業」に携わった人にはわくわくする「出版業界あるある」が詰め込まれている。

 私の場合事務職だが、零細企業の出版社に就職した時、社長から言われた、
「一般的な企業と出版業の大きな違いを説明します。多くの企業は受注生産ですが、出版業は企画製造なんです。企画力が全て。だから事務のあなたでもいい企画があったら採用するから、言ってきて」
 という言葉が印象に残っている。

 結局私には、なんの企画力もアイデアもなかった。
 蔦屋重三郎の「企画力」は桁違いにずば抜けているし、今の時代でも十分通用する。

 雑誌「東京人」は、東京の魅力を発信する媒体だけに、昔の蔦屋重三郎のエピソードというよりも、舞台となった吉原や浅草が今、どうなっているかの対比が面白い。実際に蔦屋重三郎の足跡を訪ねて、検証できるような内容。

 「台東区石浜公園には、平賀源内が復元制作したエレキテルを外観のモチーフとしたトイレがある」とか、かつて吉原の大門があった場所の現在の様子とか、浮世絵と写真を見比べて「今と昔」が比較できる。

Kindle Unlimited『蔦屋重三郎とその時代』

 同じくAmazonの電子書籍読み放題の『蔦屋重三郎とその時代』。
 蔦屋重三郎の仕事と、関係者と、時代背景が小分けに、ページ別にまとめられている。
 ピンポイントで知りたいことだけが学べるし、当時の浮世絵や錦絵、本の画像も沢山ある。

 この本によると、「べらぼう」第4話では権力で蔦屋重三郎の版元としての独立を阻止した鱗形屋や、ゆくゆくは勢力を失い、幕府から処罰を受ける。蔦屋重三郎はその時に、吉原の案内書である「吉原細見」の版権を鱗形屋から譲り受けている。

 蔦屋重三郎という人物が、ただ企画力や先見の明があるだけの人ではなく、経営者としての腕もあることがわかる。

 どこから読んでも読める本で、興味のあることだけ拾い読みしていっても、当時の時代背景が把握できる。

 この先、時代は「天明の大飢饉」へと突入。「東北の農民の数が半減した」と指摘されるほど被害が大きい飢饉だ。そのせいで米の値段が上がり「打ちこわし」などの騒動が各地で起こる。なんだか米の値段が上がって、闇バイトの強盗が増えている現代にも通じるものがあって怖い。

 田沼意次は求心力が低下し、息子の死などもあって失職。松平定信の「寛政の改革」によって、それまでの重商主義的な政策が批判されていく。
 

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