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読書日記|「言うことをきかなくなってきた子」の育て方を読んで

 2025年4月18日にAmazonの電子書籍読み放題サービスKindle Unlimitedで読んだ本の感想・読書日記。

 反抗期の子どもの「何を言っても、やろうとしない」事に悩んでいた。
 ああ言えば、こう言うで毎日バトル。
 休みの日は午後まで寝ていて、何を言っても起きようとしない。
 平日は学校が終わっても、家に帰ってこない。
 ・・・・・どうすればいいの?と思っていたが・・・・

目次

「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方 思春期に入る前に知っておきたいこと」の要約・概要・あらすじ

 思春期の子どもが反抗してどうしようもないときの、具体的で前向きな対応方法を解説した本。
 まさに「反抗期」そのものの対象法に特化しており、即効性も期待できる。

 幼稚園講師、小学校教諭、教育委員会勤務経験があり、小学校中学年・高学年、中学校の相談員として勤務した経験もある著者が、自らの体験を交えて対処法を解説している。

 目次は以下のとおり。

第1章 思春期のことを知っておこう
第2章 子どもをぐんぐん伸ばす5つのステップ
第3章 反抗する子どもと接するときのヒント
第4章 Q&Aでよくわかる!あの手、この手、奥の手
第5章 思春期の子育ては試練のときです

 頭ごなしに怒る→子に反抗される→もっと怒る→さらに反抗・・・・というエンドレスバトル。
 なぜそうなるのか?
 どうすればいいのか?

 に関する明確な答えがある。

 大切なのは人間の心の中にある「ココロ貯金」。これは著者オリジナルの言い方と思われる。
 別の言い方では「交流分析という心理学」とも書いてあるが、わかりやすく「ココロ貯金」と表現し、このココロ貯金を満たす、貯めることの大切さが「言うことをきかなくなってきた子」への対処法。

 「ココロ貯金」が貯まるのは、親の愛情が伝わった時、話を聞いてもらえた時、スキンシップをしてもらった時など。

 逆に、親に虐待されたらココロ貯金は穴があいて減っていく。
 虐待まではいかないけど、ココロ貯金を目減りさせる親の行為として「子どもへのガミガミ、クドクド、ネチネチ言う」行動を指摘。

 ココロ貯金の残高と、自己肯定感、やる気、自信は比例した関係。
 思春期の子どもの反抗は、ココロ貯金があまり貯まっておらず、「ちょっと見直してください」「よく考えたら不満です」「このままでは自分に自信がある大人になれません」という心の状態の現れである。

 過去の子育てを悔やむより、いまできる一番いいと思うことをやっていく。気がついた時が吉日。

 親から子どもへの「ガミガミ、クドクド、ネチネチ言う」を変えていく方法。
 子どもの話を最後まで聞く方法。
 「ほめる」のではなく、「存在を認める=存在承認」の方法。
 親の気持ちや、やってほしいことの、子への伝え方。
 行為を注意する、叱る時のポイント。
 ・・・・などの具体的な解説がある。

指示・命令パターンだけで子育てを続けていると、ココロ貯金が焦げ付いてしまい、子どもとの関係が最悪なものになってしまう可能性があります。
 などの指摘も。

 後半は子どもをタイプ別に分けて、対処法を解説。
 Q&Aでは「子どもがちっとも勉強しない」「根気がない」「片付けられない」「遊びに行くと帰ってこない」などの具体的な事例に対しての対処法を解説。

 最終章には、
子育てはわが子を育てると同時に、自分の欠点・短所と向き合う作業ですから、つまるところ「子どもではなく私の課題だ」と核心にふれた気づきが生まれます。
 とあり、自分の心を安定する事の大切さについても解説。

著者 東ちひろ(ひがし・ちひろ)プロフィール

著者 東ちひろ(ひがし・ちひろ)

 幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、現在は「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。上級教育カウンセラー、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、生涯学習開発財団認定コーチ。

「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方 思春期に入る前に知っておきたいこと」の感想

 実は、Amazonの読み放題Kindle Unlimitedでダウンロードしたものの、ずっと放置して読んでいなかった本。

 読み始めたら、
「なんでもっと、早く読まなかったんだろう」
 と思った。

 この手の育児書や子育て関連本に共通して言えることだけど、
「自分がこれまでやってきた事が、間違いだらけだった」
 と気付かされる。
 私は正に「ガミガミ、クドクド、ネチネチ」言うタイプ。
 言えばいつかは変わってくれる、気づいてくれると思っていたけど、実はどんどん、子どもに反抗的な気持ちを芽生えさせていた。

 Amazonのレビューを見ると「自分は嫌な目に遭ったのに、子供には優しくしないといけないのか。納得できない」という意見がある。
 確かに、私も親から「ガミガミ、クドクド、ネチネチ」言われ、昭和の時代だったから虐待もあった。
 親だけでなく、学校の教師なども殴ったり、棒で叩いたりというのが日常茶飯事の時代だった。

 私自身の「ココロ貯金」なんて、赤字。マイナス残高。しかも親はもうこの世にいないから、その赤字は一生負債のままだろう。

 「自分は嫌な目に遭ったのに・・・」というレビュー主の気持ちはよく分かる。
 そんな事言うなよと思う反面、まあ、わかるよ、そーだよなあという強い共感。
 だからと言って、「納得できない」と言っていたら、子どもの反抗は続くだろう。

 納得できない。確かに親に虐待され、ココロ貯金を目減りされ、嫌な記憶や悲しい気持ちが勝る過去しか持ち合わせていない自分だが、心を鬼にしても、
「負の連鎖を断ち切るんだ」
 と思いたい。

 親から受けた虐待や、嫌な出来事は、自分の胸の奥にしまって、墓場まで持っていくしかない。

 かつて作家の森瑶子が、
「自分は親から愛されたという記憶がない」
 とエッセイに書いていた。愛された記憶のない人間は、人を愛せないという内容だった。
 記憶の中にある母は、いつも猛禽類のような険しい目で見つめる怖い母でしかなかったと・・・書いてあるのを読んで「私の母そっくり」と思ったのが忘れられない。

 もう昭和にあったような、子どもはとにかく厳しく育てろという時代ではないのだ。
 かつて「スパルタ教育」という本を書いた石原慎太郎だが、息子の石原良純はインタビューで、
「よく“お父さんのスパルタ教育で育てられたんですか”と聞かれますが、親父に怒られたこともめったにないし、ブン殴られた記憶もありません」(女性自身インタビューより
 と答えている。

 「うちは厳しくやっています」「子どもが言うことを聞かないのでビシッと叱っています」が、とにかく大間違いであり、無意味であることを痛感させられた本。

 こういった「子育て法」や対処法、もっと共通認識を持って、社会に広がってほしい。

 未だに「言うことを聞かないのでお説教する」という、旧時代的な価値観が蔓延している。
 親だけでなく、教育現場でも、虐待こそ無くなったものの、「ガミガミ、クドクド、ネチネチ」言って子のココロ貯金を目減りさせる教育者がいる。

 もうそんな子育てはやめましょう!と声を大にして言いたい。
 

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