2020年3月15日に「フランスの厚生大臣オリヴィエ・ヴェラン氏が、新型コロナウイルス感染症に関して、イブプロフェンを服用しないほうがよいと推奨した」というニュースを目にしました。
ここ数年、やたらと頭痛がある私はイブプロフェンが欠かせないので、気になる報道でした。
実際のところ、新型コロナウイルスに感染した時に、どのような薬に気をつけるべきなのかをリサーチしました。
イブプロフェンは新型コロナ悪化の報告なし
「イブプロフェンを服用しないほうがよい」というフランスの報道を受けて、日本国内でも一時的に「新型コロナウイルスの感染者が(イブプロフェンやコルチゾンなどの)抗炎症薬を服用すると、感染を悪化させる要因になる可能性がある」などの情報が流れました。
しかし、この件に関しては、世界保健機関(WHO)が後に修正をしています。
フランスの報道から約1週間後の2020年3月23日に、
『世界保健機関(WHO)は20日までに、新型コロナウイルス感染者による「イブプロフェン」服用について、「控えることを求める勧告はしない」と表明した。』
と報道されました(時事メディカル 参照)。
「控えることを求める勧告はしない」とは、要するに「イブプロフェンを服用しないほうがよいという注意はしません」ということ。
時事メディカルの報道によると、『WHOは、治療に当たっている医師への調査の結果、通常の副作用以外に、症状を悪化させるという報告はなかったと説明』したとのこと。
ただし、情報は様々にあって錯綜しています。
「やはりイブプロフェンは飲まないほうがいい」という意見もあります。
以前からイブプロフェンは、インフルエンザの時には「インフルエンザ脳症の発症が高まるリスクがある」という指摘がありました。
さらにインフルエンザ脳症に関しては「ロキソニン」も同様のリスクがあり、いずれも「インフルエンザの時の小児は使用不可」とされています(参考サイトインフルエンザでNGな解熱剤)。
インフルエンザと新型コロナウイルスは別ですが、それでも「自己判断で市販薬を使用しない」ということが重要だと思われます。
発熱や咳、ノドの痛みがある方は、安易に市販薬で治そうとしないで下さい。
また、私のような頭痛もちの人も、今の時期は安易に頭痛薬を飲まないほうが良いでしょう。
主成分がイブプロフェンの市販薬は「イブ」「ナロンエース」「ノーシンピュア」など。
市販薬には必ず「配合成分」という表記があるので、これは大丈夫?と気になる方は、箱やパッケージの「配合成分」を確認しましょう。
アセトアミノフェンは大丈夫?
とはいえ頭痛はつらい。
私の場合、頻度としては、薬を飲むほどの頭痛は2週間に1回くらいです。
そんなに四六時中悩まされているわけではないけど、いざ頭が痛いとなると、やはり薬なしでは寝込んでしまって何もできなくなるなるので困ります。
数年前まで「イブ」を服用していましたが、なんとなく「同じ薬を何年も飲み続けるのは良くないかな・・・」という気がして、1年くらい前から「バファリン ルナ」に変えました。
「バファリン ルナ」は公式サイトで確認したところ「「イブプロフェン」と「アセトアミノフェン」のダブル処方」です。
ああ、やっぱりイブプロフェン入っているのか・・・と思って、今後、新型コロナウイルスの感染が終息するまでは、たとえ新型コロナウイルスの症状がなくても、「念の為」という気持ちで飲むのをやめようと思いました。
大げさかもしれないけど、自分が「無症状だけど感染している」という可能性はゼロではないと思っているので・・・
じゃあ、頭が痛くなったらどうすればいいの?
てことで行き着いたのが「アセトアミノフェン」です。
インフルエンザ脳症でも、「イブプロフェン」に比べて副作用が少ないと言われている「アセトアミノフェン」。
「アセトアミノフェン」が主成分となる市販薬は「タイレノールA」。
実はこれ、私も「バファリン ルナ」以外で時々服用しています。
「タイレノールA」が一番いいのは「空腹でも飲める」という点(ただし、かぜによる悪寒・発熱時には、なるべく空腹時をさけて服用してください タイレノールAの特徴・効能 | タケダ健康サイト)。
頭が痛く、食欲もない時、以前は頭痛薬を飲むためだけに無理して何か食べてから薬を飲んでいましたが、タイレノールAなら「空腹でも飲める」と知ってからは時々服用しています。
うーん、ただねえ・・・・副作用が少ないだけに「タイレノールA」は効き目もちょっと弱いかな・・・・という気がして「バファリン ルナ」も時々服用していました(もちろん同時に服用はしません)。
だけど、今後「新型コロナウイルス」の感染拡大が終息するまでは、頭痛の時は「タイレノールA」にします。
繰り返しになりますが、WHOはイブプロフェンの服用は問題ないと言っていますが、情報が錯綜しているので、やはり念の為に飲まないということです。
WHOはマスクだって「感染を予防できる根拠はない」と言っていたものが、「自分が感染している場合に他の人にうつさないためには効果がある」という見解に変わってきたという経緯がありますし、「いかなる状況下においても勧められない」と言っていた布マスクについても「予防の効果があるかはまだ評価ができていない」として、推奨することも反対することもできないと表現を修正しています。
だからWHOが「問題ない」と言っても、その言葉を100%信用することはできないんですよね。
「アセトアミノフェン」の副作用
副作用が少ないと言われている「アセトアミノフェン」ですが、「日常的に多量のアルコールを飲む人では肝障害のリスクが高まる」と言われていますので注意も必要です。
また、風邪薬を飲んだけど、鎮痛剤も飲んだというように「うっかり」でアセトアミノフェンを重複して服用する場合も肝障害のリスクが高まるので気をつけましょう(参考サイトコロナで情報錯綜「イブプロフェン」何に注意か)。
NSAIDs(エヌセッズ・エヌセイズ)と呼ばれる薬
イブプロフェンと同様に、医療関係者の間で「NSAIDs(エヌセッズ・エヌセイズ)」と呼ばれている薬も新型コロナウイルスの患者は飲んではいけないと言われています。
「NSAIDs(エヌセッズ、エヌセイズ)」とは別名「非ステロイド性抗炎症薬」と言われているもの。
調べてみたら先の「イブプロフェン」もこの「非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs」の仲間に含まれています。
「非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs」とは「抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称」です。
「総称」ということは、いくつかの薬剤をまとめて「非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs」と呼んでいるわけで、「代表的なNSAIDにはアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクがある」とのこと(参考サイト非ステロイド性抗炎症薬Wikipedia)
関節の腫れなどの炎症症状や、頭痛、生理痛などの鎮痛剤、発熱があるときの解熱剤などに含まれています。
「NSAIDs」の何が新型コロナウイルスに良くないかと言うと、NSAIDsを使用するとサイトカインストームが起こり、肺炎などを引き起こす可能性があると言われているからです。
これは新型コロナウイルスに限らす、インフルエンザの場合も言われていることです。
サイトカインストームとは?
では「サイトカインストーム」とは何でしょうか?
サイトカインストームとは、体内に入ってきたウイルスを攻撃するために過剰に放出されたサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質・細胞どうしが連絡を取り合う信号となる)が、健康な細胞まで攻撃しまうこと。
新型コロナウイルスの場合は、サイトカインストームによって肺の組織が破壊され、死に至ることもあると言われています。
若年層の新型コロナウイルスによる重症化は、「十分に免疫反応がある若者が、逆に過剰に反応してしまう”サイトカインストーム”が起こっている」とも言われています。
2003年のSARS(サーズ)の流行時も、多くの若者がサイトカインストームで死亡しました。
サイトカインストームは、年齢が若く免疫反応が活発な人ほど起きやすい。
そして、
「1918年、スペイン風邪で多くの死者が出たのは、NSAIDsのアスピリンを乱用し、サイトカインストームを引き起こしたから」
と言われているのが、「NSAIDsは新型コロナウイルスでは飲んではいけない」ことの理由です(参考サイト新型コロナ「飲んではいけない薬」は?これだけは覚えておきたい7つのリスク)。
イブプロフェンも「NSAIDs」の仲間のひとつなら、やはり新型コロナウイルスで服用するべきではない。
年齢が若く免疫反応が活発な人は特に。
「NSAIDs」の仲間としてはイブプロフェンの他にアセチルサリチル酸や、ロキソプロフェン、ジクロフェナクなどがあります。
これらの含まれる市販薬はアセチルサリチル酸を含む「バファリンA」やロキソプロフェンを含む「バファリンEX」「ロキソニンS」などがあります。
これらはどれも解熱鎮痛薬ですが、「ひざの痛み」や「腰の痛み」に効果が期待できる「ボルタレン」も「非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs」の一種であるジクロフェナクが主成分なので注意が必要です。
NSAIDsを使用するとサイトカインストームが起こる場合がある。
新型コロナウイルスに感染している人はもちろんのこと、感染していない人も、このことはやはり注意すべき事だと思われます。
その他の参考サイト
◆コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:【1続報】フランス発の詳細な説明
マスクに関する情報はこちら
これまでの「マスク情報」のまとめ