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ニュースまとめ|NHK字幕問題とは?をわかりやすく

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 旬のニュースをまとめて、わかりやすくする「ニュースまとめ」の「NHK字幕問題」に関する情報です。

 2022年2月10日に、
『放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、「放送倫理違反の疑いがあり、放送に至った経緯などについて詳しく検証する必要がある」として審議入りを決定』(毎日新聞デジタルより)
 と報道された「NHK字幕問題」とは?
 事の発端は?そもそも何が問題なのか?

【NHK字幕問題】はじまりは?

 「NHK字幕問題」のはじまりは、2021年12月26日22時からNHKのBS1で放送されたドキュメンタリー「河瀨直美が見つめた東京五輪」です。

 番組自体は
「来年(注釈:2022年))6月公開予定の東京五輪公式記録映画で監督を務める河瀨直美さん。五輪が私たちの社会に残したものとは。映画の制作を通じてその問いと向き合う河瀨さんを密着取材。」(NHK番組公式サイトよりより)
 というドキュメンタリーの密着取材もの。

 NHKがのちに公開した「「BS1スペシャル」報道に関する調査報告書」によると、これは『公式記録映画のための取材や撮影を行う河瀬さんなどをNHKが取材するという、いわば二重構造』の内容でした。

 このドキュメンタリー番組の中で、「開催を巡り賛否の声がぶつかりあった(NHK番組公式サイトより)」ことを取り上げるために、「デモに参加しているという男性」が登場。

 NHKは「デモに参加しているという男性」に公園で取材する「河瀬監督の映画スタッフ(島田角栄氏)」を少し離れた場所から撮影。「河瀬監督の映画スタッフ」に対して、何かを語り始めた男性が映るその場面に「実はお金をもらって 動員されていると打ち明けた」という字幕が表示されました。

NHK字幕問題

【NHK字幕問題】の何が問題か?

 問題は、この「五輪反対デモに参加しているという男性(以下、デモの男性)」が「本当にお金をもらって五輪反対デモに参加したのか?」ということ。

 デモの男性は「河瀬監督の映画スタッフ」のインタビューに、「デモは全部上の人がやるから書いたやつを言ったあとに言うだけ」「予定表をもらっているからそれを見て行くだけ」とは答えていますが、一言も「五輪反対デモ」とは語っていません。五輪とは無関係のデモに参加した話(お金をもらって動員された)を語っているだけにすぎない可能性もある。

 しかし、番組では「実はお金をもらって 動員されていると打ち明けた」という字幕とともに、あたかも「五輪反対のデモが、実はお金をもらって参加している人たちによるものだった」という誤解を与える内容になっていました。

 さらに番組内では、デモの男性を取材していた「河瀬監督の映画スタッフ」による『プロの反対側もいる』という発言もありました。

 これが過去に問題となった「沖縄の米軍基地反対運動をする市民は「日当で動員された」のではないか?」というニュース女子の沖縄リポート放送をめぐる騒動を連想させ、類似の案件ではないかと問題視されました。

 つまり、「お金をもらって五輪反対デモに参加した」という事が、事実でないとしたら、「捏造」「印象操作」になるのではないか、ということです。

 問題は、「デモの男性が、本当にお金をもらって五輪反対デモに参加したのか?」という点。

「五輪に反対している人がいるといっても、あの人たちはお金をもらってデモに参加しているだけで、本当の反対派なんて存在しない」
 という印象操作ではないのか?(ニュース女子の時のような)

 これが放送直後から物議を醸します。

 「放送終了後、五輪賛成派、反対派の双方から「印象操作だ」などと異論が噴出。(東スポWebより)」と騒動に発展しました。

【NHK字幕問題】誰が字幕をつけたのか?

 「お金をもらっていた」と字幕で表示されたデモの男性は、東スポWebの記事によると、
「視聴者からも「この男性はデモに参加したのか」などと電話が寄せられため、同局(注釈:NHK)は年が明けてから男性と接触して再確認。堀岡淳局長代行は「男性は取材時『これまで複数のデモに参加して現金を受け取ったことがあり、五輪反対のデモにも参加して、お金を受け取る意向がある』と話していた。(再調査で)『五輪デモに参加はしていない』と言っているが、実際に出ていなかったかどうかは我々としては確認できていない。」とのこと。

 NHKがのちに公開した「「BS1スペシャル」報道に関する調査報告書」の中ではさらに詳細に、デモの男性の発言を紹介し、最終的には、
「男性が五輪反対デモに参加したという確証は得られなかったため、字幕の内容は誤りだったと判断しました」
 と報告しています。

 報告書によると、デモの男性は「ご飯代くらいのお金をもらって、いろいろなデモに参加している」「デモに参加することで2000円から4000円をもらうことがある」「五輪反対のデモに参加する可能性はある」と発言はあったものの、デモの男性が実際にお金をもらって五輪反対デモに参加したという確証は得られませんでした。

 報告書からもわかるように「字幕をつけた」のはNHK側。

 デモ男性を取材する撮影スタッフ(島田氏)を、さらに取材するNHKの担当者が、デモの男性の発言をある意味拡大解釈して、編集段階で『実はお金をもらって動員されていると打ち明けた』という字幕を入れ、ドキュメンタリー番組として放送しました。

【NHK字幕問題】プロの反対側とは?

 番組内では、「映画スタッフ」の島田氏が、「プロの反対側」と発言する場面もあります。

 これが「お金をもらってデモに参加している人=プロの反対派」の存在に言及していると思われる内容となっていますが、この「プロ反対側」に関しても、NHKの「「BS1スペシャル」報道に関する調査報告書」に説明がありました。

 報告書によると、NHKの調査チームが後日、島田氏にヒアリングしたところ、
「プロの反対側とは、強い思いをもってデモに参加している人たちのことであり、当該シーンの男性(注釈:お金をもらっていると語ったデモの男性)のことは全く念頭になかった」
 と否定されました。

【NHK字幕問題】河瀬監督の反応は?

 番組は元々、映画監督である河瀬直美さんのドキュメンタリー「河瀨直美が見つめた東京五輪」でした。

 しかし、問題の「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」の字幕が入れられたシーンは、河瀬直美さんではなく、河瀬監督の「映画スタッフ」が撮影していました。

 報道で「撮影スタッフ」「映画スタッフ」と表現されているのは、島田角栄氏。

 騒動を受けて、当初字幕を入れた側のNHKのディレクターは、番組の試写後にNHKの上司から「字幕の事実確認の指示」を受けて、
「(デモの)男性がその話(注釈:お金をもらって五輪反対デモに行ったこと)をしていたことを島田さんに聞いた
 と発言していました。

 しかし島田氏はそのディレクターの発言に対して「放送前にディレクターからの事前確認はありませんでした」と反論。NHKに抗議し、訂正を求めたと報道されています。

 NHKは島田氏や河瀬監督に謝罪。

 河瀬監督は「本当に、残念でなりません」とのコメントを発表しました。

【NHK字幕問題】いまここ

 NHKは2022年2月10日に、担当のディレクターら2人を停職1カ月にするなど計6人の懲戒処分を発表しました。

 さらに同じ日、「放送倫理違反の疑いあり」とのことで、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が審議入りを決定しました。

 しかし、NHKの謝罪は河瀬監督や島田氏に向けられたものであり、
「映画製作の関係者、視聴者のみなさまに深くおわびする」
 などとのコメントはあるものの、「当事者」と言える「実際に五輪反対のデモを行ってきた市民」への謝罪はないため、「これまでの五輪反対デモで参加者に金銭を支払ったことは一切ない」と主張する市民団体が、NHKに抗議する事態に発展しています。

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