【ほん怖】事故物件実家 その3ある事に気づいて背筋が凍った

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 前回の【ほん怖】事故物件実家 その2霊媒師が言うには無縁仏が・・・の続き。

 この話を書き始めた最初の頃は「事故物件の実家を売却する話」を書こうと思っていた。

 しかし「その2」まで書いたところで、何か、違和感を感じた。

 そもそも、「その2」に書いた霊媒師の話なんて、45年近く忘れていた事だ。
 実家の話を書き始めたことで、45年前の出来事が蘇ったとも言えるが・・・霊媒師の話を書き終えた深夜にふと、時計を見て、
「もう午前2時か・・・・。日をまたいで書いていたなあ・・・」
 と思った瞬間、ある事に気づいてゾッとした。

 なお、何回も書くが、私が書いている話はモキュメンタリーや作り話ではない。全て本当にあった、実話だ。

目次

霊媒師の話を書き終えてゾッとしたこと

 午前2時。私は霊媒師の話を書き終えて、そろそろ寝ようと、ブログを書いているラップトップPCの右下の日付表示を確認した。

 02:00
 2024/09/09

 あ!

 その時、数秒だが過呼吸になるほど、私は動揺した。若い頃に何度か呼吸困難や動悸・息切れで体調不良になり、心療内科で「パニック障害」と診断されたことがある。

 その時の原因は、職場の人間関係だった。幸い、その職場を退職してから20年以上、パニック障害の発作は起きていない。

 しかし、この時ばかりは、あの嫌な、過呼吸と、呼吸困難と、動悸が一度におとずれるような不快な症状がぶり返す気がした。

 私はすぐに横になって、深呼吸を繰り返した。吸って・・・吐いて・・・吸って・・・大丈夫だ、大丈夫と自分自身に何度も言い聞かせ、過呼吸になるのを防いだ。

 私が動揺したのは・・・・日付が0時を過ぎて、今日が、

 
 
 

 母の命日  だったからだ。

 
 
 

 今でも、体の奥のどこかが、小さく震えている。怖い。これは怖い話なんだ。本当にあった怖い話。そうにちがいない。

 嘘偽りもなく、9月9日は母の命日だった。

 私はそんな事も忘れて、この数日、実家の「事故物件」たる話を書き続けていた。

 霊媒師が「調べてくれ」と口寄せで言ったこと。それを聞いた伯母が半笑いのような顔だったこと。「いつでも呼んでください」と言った霊媒師は、二度と呼ばれなかったこと。

 もしかしたら、母が、私に冥界から「思い出せ」と、書かせた事なのかもしれない。なんなら、もはや母が、私の体に乗り移って、
「よこしなさい、私がやるから」
 と、書いた気すらする。

 「そうだ、今日はお母さんの命日だ」と思い出した途端に、私は過呼吸になりかかり、数十年ぶりにパニック発作を起こしかけていた。

 母に書かされている、母に書かされている、母に書かされている・・・頭の中にぐるぐる、その思いが駆け巡った。あわてて、深呼吸で、それをかき消した。

 母に書かされているわけではない。これは私が私の意思で書いているのだ。

 そう強く、自分に言い聞かせても、どこかから母が見ているような怖さがある。母が亡くなって45年、ずっと、夢に出てきたり、気配を感じたり、こんな風に命日に不思議なことが起こったりの繰り返しだ。

「夢に死んだ人が出てくるというのは、成仏していない証拠らしいよ」
 誰かが言っていた。

死んだ母が出てくる夢

 母が私の夢に始めて出てきたのは、亡くなってわりとすぐだった。
 3ヶ月とか半年とか、それくらいだったと思う。

 夢の中で母は、人混みの中に立っていた。子どもの頃、いつも母と買い物に行っていたスーパーの入口の、多くの人が出入りするその人混みの中に、母は無表情で立ってた。

 夢の中の私は、母を見つけると駆け寄って、罵詈雑言を浴びせ、言葉だけでは足らず、足蹴にした。倒れた母は無言で、無表情だった。私はその母をさらに執拗に、足で蹴ったり、手で殴り続ける・・・という夢だった。

 なんとも、不気味で、気持ちの悪い夢で、忘れられない。

 罵詈雑言というのは、なぜ私を残して死んだのだという類のことを、もっと汚い言葉で罵ったのだった。

 母は、明らかに成仏できていない気がする。

 そもそも、実家が事故物件になったのも、母の死がきっかけだが、これはなかなか簡単に文章にできるものではない。

 正直な話、45年たった今でも、謎が多すぎて、松本清張や横溝正史の世界みたいな事になっており、さらに、答えが出ていない。

 推理小説やミステリーなら、最後に名探偵の謎解きがあるが、母の死に関しては多くが謎のままなのだ。

 霊媒師が「調べてね」と言ったことも、今あらためて思い出すと、妙に納得する部分もある。

 今日は怖くて、これ以上は書けない。

 パニック発作が怖いので、早く寝ることにした。

 母の命日によせて 合掌

・・・④につづく

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