認知症の方が、何度も薬を欲しがったり、目を離したすきに飲んでしまったり、という問題があります。
「便秘なので何度も下剤を欲しがる」
「痛みがあり、何度も鎮痛剤を飲みたがる」
この他に、胃腸薬、睡眠導入剤、抗うつ剤、など特定の医薬品に執着して、同じ薬ばかり大量に服用してしまう人がいるそうです。
そんな時に効果的な「介護用偽薬」があります。
介護用偽薬プラセプラス
プラセプラスは「介護用偽薬(かいごようぎやく)」と呼ばれる種類の「くすりのかたちに似せた食品」です。
見た目は薬のようですが、成分は麦芽還元糖というお菓子にも使われる食品の成分です。
「薬の飲み過ぎ・飲みたがり」に介護者さまが適切に対応するための介護用偽薬として研究・開発されました。
上記の大容量タイプより少し割高になりますが、より医薬品らしいパッケージになっているタイプもあります。
偽薬も医師・薬剤師と話し合って使用する
痛い、痛いと言って鎮痛剤を何度も飲みたがる場合は、重大な疾患が隠れていて病気を悪化させてしまう心配もあります。
偽薬だからと安易に飲ませずに、まずはかかりつけの医師・薬剤師とよく話し合って、問題のないことを確認した上で介護用偽薬をご使用下さい。
また、普段飲んでいる薬を自己判断で減らしたり、やめたりすることは絶対にしないでください。
ニセの薬と知った上で飲んでも効果ある
この介護用偽薬の存在を知ったのは、NHKで放送されている「ガッテン」という情報番組でした。
2021年6月に放送された「ガッテン」の「最新科学で迫る!不思議☆発見“おまじない”の世界」では、最初から“ニセの薬”と知ったうえで飲んでも、プラセボ効果で痛みが和らいだという例が紹介されました。
紹介されたエピソードは、交通事故で脊椎に損傷を負い、全身の強い痛みや吐き気に悩まされて、6年間薬が手放せなかった女性でした。女性は、薬の副作用を少しでも減らしたいと思い、インターネットで上記の介護用偽薬を見つけて飲んでみたところ、徐々に痛みが和らいできた実感があった。そこで、主治医にそのことを伝え、偽薬と本当のお薬を使いながら1年が過ぎた今、医師と相談の上で6種類だった薬を1種類までに減らしたと紹介されました。
つまり、場合によっては「これは偽物」とわかっていても、飲めばプラセボ効果で薬のように効き目を感じることもある、ということでした。
繰り返しになりますが、くれぐれも「ニセ」とわかった上で服用する場合でも、かかりつけ医と相談の上、利用してください。