2019年5月4日にNHKで放送の「NHKスペシャル」で紹介された「寝たきりからの復活~密着!驚異の“再生医療”~」の情報です。
脊髄損傷の重症患者を対象に行われる、傷ついた脊髄が再生され、患者が回復していくという「再生医療」が紹介されました。
寝たきりや車いすを生活を覚悟していた患者が、杖なしで歩き、車を運転できるまで回復するという最新の治療は、どこの病院で受けられるのでしょうか。
脊髄損傷の治療の条件
まず最初に、この治療法は誰でも受けられるというわけではありません。
治療対象となるの方の条件はいくつかありますが、なかでも最大の条件は「受傷後2週間以内を目安に転院できる方(受傷してから30日以内まで)」です。
つまり、受傷されてから年月が経過されている方に関しては、2019年の現時点では診療は難しいようです。
その他、アレルギーや合併症に関する条件もあり、体重が低い方(特に小児)や貧血の合併がある方に関しては適用外となります。
どこの病院で治療できるの?
脊髄損傷の再生医療は札幌医科大学附属病院が、医療機器、医薬品、ガラス製品の製造販売のニプロ株式会社と共同開発しました。
北海道の病院と聞いて「北海道大学病院」と混同される方がおられますが、札幌医科大学は北大とはまた別の大学ですのでお間違えないように。
この「脊髄損傷の治療に光明」というニュースは、今年(2019年)3月に、大々的に報道されました。
これまで有効な治療法がなかった脊髄損傷。重い後遺症を抱えた患者は、車いすや寝たきりの生活が続くのが常でした。そんな状況が、大きく変わるかもしれません。昨年末、画期的な再生医療製品の製造販売が承認されました。開発を主導した研究チームによる成果とは。https://t.co/XL3geVlYHe
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年3月18日
その時も、当ブログでは、治療の詳細を記事にしていますので、治療の条件やどのくらいの費用がかかるかなどのくわしいことは、3月の記事を参考にしてください。
↓過去記事はこちら
札幌医科大学附属病院の「脊椎脊髄外科診療(せきついせきづいげかしんりょう)」科が、治療を行っている医療機関となります。
↓公式サイトはこちら
ステミラック®注
患者自身から採取した骨髄液中の間葉系幹細胞を体外で培養して増やし、点滴で患者の体に戻す際に使用されるキットの製品名は「ステミラック®注」と呼ばれています。
札幌医科大学附属病院と共同開発したニプロ株式会社が製造している製品で、2019年4月の時点では「供給当初においては、札幌医科大学附属病院のみへの提供となります。」と案内されていますので、やはり2019年5月現在の時点では、脊髄損傷の再生医療が受けられるのは、札幌医科大学附属病院のみのようです。
くわしくは上記の■ 脊髄損傷の間細胞治療とお値段、保険適用の詳細をご参照ください。
もっとよくわかる! 幹細胞と再生医療 (実験医学別冊 もっとよくわかる! シリーズ)