【台所洗剤や漂白剤でコロナ消毒】その効果と作り方

ネットで話題

 2020年4月9日のネットニュースで話題の「TOKIOの城島茂さんの除菌剤の作り方動画」に関する情報です。

 ジャニーズ事務所の公式YouTubeチャンネルで、TOKIOのリーダーこと城島茂さんが台所洗剤で作る除菌剤を紹介しています。

 除菌に有効と言われているアルコールやエタノールが売り切れの今、水と台所洗剤(チャーミーやジョイなどの食器用洗剤)で作れる除菌剤は、私も早速マネしたいと思いました。



台所用合成洗剤の除菌剤

 2003年にSARS(サーズ)という新型の肺炎が流行しました。

 2020年4月現在の「新型コロナウイルス」の感染拡大ほど大規模ではなかったものの、2003年のSARSの時も中国からシンガポール、香港と感染が拡大し、香港のホテルではいわゆるクラスター(集団感染)などが発生し、WHOは世界的警報(グローバル・アラート)を発令しました。

 この時に日本の国立感染症研究所の研究チームが、SARSコロナウイルスを消毒するのに台所用合成洗剤に含まれる界面活性剤が有効であることを突き止めました。

 それまでは消毒にエタノールや漂白剤が使用されていましたが、
「においがきつかったり、引火性があったりして扱いにくかった」
 ことから、日常的に手軽に利用できる台所用合成洗剤による除菌剤の実験が国立感染研究所で行われました。

 この時の実験では、
「界面活性剤が含まれる合成洗剤を水で二百倍に薄めた中に、百万個のSARSウイルスを約二分間入れた。その後、ウイルスをサルの細胞に触れさせ感染力を調べると、まったく感染しないことが判明した。」
 とのこと。

 今回、2020年の新型コロナウイルスに同じ方法が有効かどうかは実験されていないようですが、リーダー城島さんは動画の中で、
「新型コロナに対してはSARSウイルスに共通する部分がありまして、この界面活性剤除菌法も十分期待できるのではないか」
 とお話されています。

 実際、検索したところ2003年当時の新聞記事で「新型肺炎消毒に洗剤有効」という報道がありました。ここで言う新型肺炎とは「2003年のSARS」のことです。

 国立感染研究所の詳しい実験結果なども、当時の記事にありました。

くわしくはこちら
 新型肺炎消毒に洗剤有効 国立感染研が実験

台所洗剤の除菌剤の作り方

 上記の国立感染研究所の実験が、2020年の新型コロナウイルスにも期待できるということであれば、
「アルコールが手に入らない」
「除菌剤や消毒液が不足している」
 という公共施設やご家庭でも早速活用したいものです。

 我が家でも残り少ないアルコールの除菌剤を、ケチケチ使ってドアノブや蛇口、トイレのレバーなどを朝昼晩、除菌しています。

 だけど台所洗剤が使えるのなら、かなり除菌の範囲も広げられるし、もっと量もたっぷり使えると思いました。

 残り少ないアルコール除菌剤を気にしながら(なくなったらもう買えないので)少量使うくらいなら、台所洗剤の除菌剤を大量に使ったほうが効果も高いのではないでしょうか。

 作り方も簡単で「水と台所洗剤を混ぜるだけ」です。

<材料>
・ぬるま湯 1リットル

・台所洗剤 10cc

<作り方>
1.ペットボトルにぬるま湯1リットルを入れる

2.「1」に台所洗剤10ccを入れフタをしてよく混ぜる

 これで「除菌剤」が完成。

 正直ただの「台所洗剤を薄めた水」ですが、この除菌剤をペーパーやダスターなどに含ませて除菌したい場所(ドアノブやテーブル、その他どこでも)を拭く。そのあと二度拭きする。

 これで除菌できるとのこと。

 台所洗剤には「直鎖アルキルベンゼン系」と「高級アルコール系」の2種類がありますが、いずれもわずか0・5%の濃度で、「100万個」のSARSウイルスを退治でるとのこと(新型肺炎消毒に洗剤有効 国立感染研が実験より引用)。

 城島さんが動画の中で紹介している作り方では「洗剤10cc」と言っています。

 1リットルに10ccだと「1%の濃度」になり、2003年の国立感染研究所の実験「0・5%の濃度」のさらに2倍の濃さということになります。

 なおこの除菌剤は手や肌には使用できません。

 あくまでもお掃除用。気になるドアノブなどを除菌する用です。

TOKIO城島茂さんの動画

 実際にジャニーズ事務所の公式YouTubeチャンネルで公開されている城島リーダーの動画はこちら。

 注意点として、
・容器には間違って飲まないように「注意」「除菌剤」などと明記する
・除菌剤のあと2度拭きする
・手や人体には使わない

 です。

 国立感染研究所の実験では2分間でウイルスを殺す効果を確認しました。
 なので、すぐに2度拭きせず、いちど除菌で拭いたら2分くらい放置してから清潔なぬれ雑巾などで拭き取るといいのではないでしょうか。

 スプレー容器などに入れて吹きかけて2分放置し、そのあと乾いた布で拭き取ってもいいと思います。

 台所洗剤には、国立感染研究所が実験に使用した「直鎖アルキルベンゼン系」と「高級アルコール系」などの他にも石けんをベースにした「弱アルカリ性」の台所洗剤や、手肌に優しいナチュラル系の「弱酸性」の台所洗剤もあります。

 しかしそれらは国立感染研究所でも実験されていないので、使用するのは必ず『「直鎖アルキルベンゼン系」または「高級アルコール系」の界面活性剤をそれぞれ主成分とする中性洗剤』をご使用ください。

 ちなみに、リーダーが動画の中で使用している台所洗剤はパッケージが取り除かれていますが、ボトルの形状から花王のキュキュットであると思われます。

キュキュット 本体 240ml

 240mlあるというこは、濃度1%の除菌剤を作る場合これ1本で単純計算して24リットルもの除菌剤が作れます。

 残り500mlくらいしかないアルコールの除菌剤をハラハラしながら見守っていた私としては、今すぐ実行したい方法です。

台所洗剤の除菌剤の注意点

 動画を見て早速実行しようと思ったものの、
「ちょっと待てよ・・・・」
 と気になったことがひとつだけあります。

 動画でリーダーは1リットルのぬるま湯を使っていました。

 この方法だと一気に1リットル(細かく言えば1リットル+10cc)の除菌剤が完成します。
 これって「日持ち」の問題はどうなのでしょうか?

 実は、私は以前から薄めた食器用洗剤をポンプボトルに入れて、それで食器を洗っていました。

 昔、会社の同僚から「薄めて容器に入れたほうが手荒れしないし、洗剤も長持ちして節約にもなるんだよ」と教えられて、なるほど!と思って長年そうしてきたのです。

 ある時そのことをこのブログに「洗剤節約術」として書こうと思いました。

 だけど、念の為にその方法が問題ないのか検索してみると「洗剤を薄めた状態で作り置きしておく方法は推奨されていません」という情報が沢山出てきました。

 それで私は慌てて、薄めた洗剤をポンプボトルに入れて使用する方法はやめました。

 どこの洗剤メーカーも「薄めた液を長時間置くと変質する場合がある」という注意書きを洗剤のボトルに明記しています(気づかなかった私・・・)。

 洗剤を薄めること自体は問題ではなく、むしろそれを推奨している洗剤もあるのですが、大事なポイントは「使用のつど薄めてつかう」ということです。

 これは除菌剤でも全く同じことが言えると思います。

 一日に何リットルも除菌剤を消費する大きな施設などの場合は、まとめて1リットル作って大丈夫だと思います。

 しかし、一般の家庭ならせいぜい一日に使うのは100ccとか、200ccくらいではないでしょうか?

「洗剤の量は全体の水の1%」
 と覚えておけば、100ccでも200ccでも、難しい計算なしにすぐに除菌剤が作れると思います。

 なので、いちどに1リットルも作るのではなく、せいぜい1日に使用する分量の除菌剤を、こまめにその都度作るということが理想的でもあり、より効果的な除菌剤になると思います。

 ちなみに、除菌剤とは関係ないのですが、お皿を洗う場合は「洗剤をスポンジに直接つけるのではなく、小さめのボウルやタッパー、お茶碗など適当な容器に洗剤とぬるま湯を混ぜた液を作り、スポンジにそれを含ませながら洗う」のがベストの方法らしい。

 NHKでもこの方法が以前紹介されて、話題になったそうです。
くわしくはこちら
 NHKで紹介されてた食器洗い時の洗剤の使い方を実践したら・・・

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次亜塩素酸水の除菌剤

 2020年4月15日に経済産業省が台所洗剤の界面活性剤にも新型コロナウイルスに対する消毒効果があることが分かったと発表しました。

 台所洗剤の他に「次亜塩素酸水(電気分解法で生成したもの)」と「第4級アンモニウム塩」にも効果があると同時に発表されました。

 経済産業省はその後、「「次亜塩素酸水」の新型コロナウイルスに対する効果については、検証試験が継続中であり、まだ結論は出ていません。」と発表。

くわしくはこちら
 【経済産業省】新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(第二弾)

ハイター(塩素系漂白剤)の除菌剤

 ハイターやブリーチなどの「塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)」でも、同様の除菌剤が作れます。

 厚生労働省の公式サイトには「塩素系漂白剤を濃度0.05%に薄めた上で、拭くと消毒ができます」と紹介されています。

厚生労働省のサイトはこちら
 新型コロナウイルス対策「身のまわりを清潔にしましょう」(PDF)

 ハイターやブリーチなどを使って「次亜塩素酸ナトリウム0.05%の液」を作る方法や、注意点などは、洗剤メーカーの花王の公式サイトにくわしく紹介されています。

「ご購入から3年以上経過した古い製品では、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が著しく低下している場合がありますので、ご使用はおすすめできません」
 とのことなので、我が家にもハイターはあるけど、普段は別の漂白剤(酸素系のもの)しか使っておらず、おそらく3年どころか5、6年は前のものと思われるので、早速新しいハイターを買ってこようと思いました。

花王のサイトはこちら
 花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?

 ハイターやブリーチは、まだドラッグストアに沢山在庫があるのを何度も目にしています。
 お値段も150円前後とリーズナブルなので、今後買い占められたり、品薄になって値段が高騰しないことを祈ります。


キッチンハイター 台所用漂白剤 特大サイズ 2500ml

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