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サブスク本|変わりたいのに変われない人の脳が「目覚める」本

 Amazonの電子書籍読み放題のサブスク「Kindle Unlimited」で読んだ本の要約と感想。

 今回は苫米地英人さんの「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」。

 手帳が趣味なんですが、その関連の情報を探していた時、「ブレイン・ダンプ」というキーワードに遭遇。
 そこを掘り下げたところ、この本に行き着いた。

 「頭のゴミ」て、何だと思いますか?

 頭の中にあることをすべて、紙なり、デジタルなりに書き出す作業を「ブレイン・ダンプ」と言います。
 苫米地さんの本も、それと似たようなことかな?と思った。

 でも内容は全く違うことでした。

目次

苫米地英人「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」要約


「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

 苫米地英人氏の「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」は、頭の中にあることというより、むしろ、
「自分でも気づいていない、頭の中のゴミ」
 を解説してる本です。

 例えばイライラ、怒り、嫉妬などの「感情」。
 子どもの頃から親や、周りに言われ続けて、「そうなんだ」と信じ込んでいる「他人のモノサシ」。
 親や他人から言われた「あなたは〇〇な性格だ」「お前は〇〇なやつだ」という「これまでの自分」。そして他者によって刷り込まれた「マイナスの自己イメージ」や、それに耐える「我慢」・・・・

 苫米地氏は、これらを「頭の中のゴミ」だと言う。

 のっけから「感情的な人の脳はサル・ゴリラレベル」と言われて、ちょっとムッとするが(当たっているだけに)、読むにつれて見えてきた。
 そうか、私が日々イライラ感じていたものって、そのイライラの対象が何であれ(子どもであれ、夫であれ)「原始的な脳」に支配されていただけなんだと納得。

 さらにどんな人が「感情に支配されやすいか」。
 そういう人は、どうすればいいのかという解説もある。

 毎日子どもや夫にキレて、怒鳴り散らしている私にとっては、耳の痛い話ばかり。
 こんなものに振り回されていれば、そりゃあ私の頭の中は常に「ゴミ屋敷」並みの荒れた状態だと思う。

 そしてそれらの怒りの正体は、「他人のモノサシ」だったのかも、と気付かされる。

 例えば子どもが毎日、遅刻ギリギリで学校に行くこと。
 もちろん、早く行くに越したことはないけど、過去に散々会社の上司などが言っていた「5分前行動が常識だろう!」という他人のモノサシに振り回されていたのは親の私。何でうちの子は5分前に学校に着くように、行動できないんだろうという怒りも、他人のモノサシだった(ちょっと強引な説だけど)。

 さらには、自分が見ている世界はフィルターがかかっているという話に衝撃を受ける。

 実は誰もが、様々な情報の中から自分に必要なものを選別して、脳に送り込んでいる。
 だから「重要ではない」という情報は、そこにあっても気づいていない。
 その上、その「重要」「重要ではない」という選別の判断基準が、そもそも「他者からインプットされたもの」だという。

 「他者」というのは別に親や兄弟でなくても、雑誌やテレビ、今ならインフルエンサーと言われる人々のSNSなどにあるキラキラした世界をモノサシにしてしまうこともある。
「ユーチューバーの〇〇さんはあんな高級車に乗っているのに、私は自転車しかない。なんでなんだよ」
 とモヤモヤし始めたら、それはもう「頭の中ゴミ」の始まり。

 頭をクリアにしたいなら、こういったゴミを捨てることから始める。
 そして、生体を安定した恒常的状態(一定していて変わらない状態)に保とうとする「恒常性維持状態」(これがホメオスタシス)から抜け出さなければ、人は今を不満に思っていたとしても現状維持してしまう。

 他人のモノサシから自分を解放しようとしても、ホメオスタシスの力が働いて、解放できなくなる。脳は「これまでの自分」を維持しようとするからだ。

 何らかの変化を望む人は、まず「これまでの自分」や「他人のモノサシ」と向き合って、
「丸ごと捨てる覚悟が必要」
 と言っている。

 時間を川の流れに例えて「時間は川の上流という未来から、あなたが立っている現在へ、そしてあなたの後方の過去へと流れている」という。
 過去があるから今の自分があるわけではない。「未来が過去をつくる」と。

 「望む未来」を手に入れるためには、「未来が過去をつくる」という時間の原則を理解すること。それが理解できないと、望む未来はつくれない。

 過去に刷り込まれたマイナスの自己イメージも捨てる。
 「やりたくないことリスト」を作り、1位のやりたくないことも辞めてみる。
 「仕事」「育児」など、やめるにやめられないことが1位だったら、細分化して「やりたくない」原因を探り、その原因だけでもやめてみる。

 「将来こうありたい」というゴールが設定できる人なら、「頭のゴミを捨てる」行動は、自然とできるようになる。
 ゴールがわからない、やりたいことがないという人は、何をすれば他人が喜ぶかを考える。

 大事なのは「ゴールは現状の外」に設定すること。「今の会社で社長を目指す」といったような、日常生活の延長線上にゴールを設定せずに、日常的現実の外側にゴールを設定する。
 実現可能なゴールの設定では、現状維持のホメオスタシスが働いて、結局今の自分に縛り付けられてしまう。

 思い切ったゴール設定で、ホメオスタシスに変化が起こると、今まで自分にかかっていたフィルター(スコトーマ=視覚的な盲点)が外れ、分からなかったことが突然分かったり、周りも協力的になったりという変化が起こる。

 そこまでいけばもう、感情や他人のモノサシといった「頭のゴミ」は、努力しなくても、ホメオスタシスの働きで自然と捨てられる。

 あとは「仕事を辞めて、食えなくなったらどうしよう」などの恐怖の原因を消すための行動と、ゲシュタルト能力(1を聞いて10を知る能力)でゴールを叶えることができる。

苫米地英人「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」の感想

 読み始めは、理屈ではわかるのですが、
「そんなの、無理だよ」
 と思う。

 原始脳的「感情」や、刷り込まれた「他人のモノサシ」、捨てるのは難しそうだな、と思って読み進めていくうちに、不思議な変化が。

 最終的に「思い切ったゴール設定で、ホメオスタシスに変化が起こる」というあたりからは、これまで言ってきた「頭のゴミ」の話は全部、「前フリ」だったのかと思わされる。

 結局「感情」だの「これまでの自分」だの、頭の中に「ゴミ」は沢山あるけど、思い切ったゴール設定をすることで、それらは自然と捨てられるので、無駄に捨てる努力は必要ないのだとわかった。

 なんだ、結局ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」的な話を、言葉を変えて表現しただけなのかな・・・という気がしないでもない。

 苫米地英人さんの本はわりと読んでいる。
 最初に読んだ「年収が10倍になる速読トレーニング」は特に影響を受けて、繰り返し読んでいる。


 過去に何冊も読んだ速読系の本は、どれもいわゆる「目のトレーニング」重視だったが、苫米地氏の速読本は切り口がまったく違った。この本を読んだからといって、速読がすぐに身につくわけではないが、私の読書に対する向き合い方も変わった。

 そこから「苫米地式 聴くだけで脳が生まれ変わるCDブック」も買った。CDを聞くだけで、脳が生まれ変わるとは思えないが、いまだに時々、聴いている。


 そうだ、私ってかなりの苫米地愛読者じゃないか。

 だから、この「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」で苫米地氏がいいたいことも、だいたいわかる。昭和チックな「努力と根性」の時代は終わった。もっと軽やかに、スマートに、意識改革するのが令和スタイル。そうしないと、人間はもうAIに取って代わられてしまう。

 ・・・・て、そんなことは書いてないが、言外に匂わせている感じがした。

 ホメオスタシスとか、スコトーマとかゲシュタルトとか、横文字が多いのは決して格好つけているわけではなく、アメリカ留学が長かった氏の経歴によるものだと思う。

 『「現状の外」に設定するゴール』というのが、自分にとって何なのか、まだピンとこないけど、模索していきたい。
 読んだあと、本当に「頭のゴミ」が減った実感と、スッキリした感覚があるのは確か。
 あとは理解を深め、実践していくのみ。

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