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料理の「点と線」レシピよさようなら 食材使いまわし記録

 こんなことってないですか?

 テレビや雑誌で見た美味しそうな料理のレシピ。
 作ってみたくなって、材料を買ってくる。
 料理は上手に出来たし、美味しかった。家族も満足。

 だけど残った食材の用途が見つからない。
 結局、何日も残った食材を放置して、廃棄処分にしてしまう・・・・

 もちろん、何度もそんなことを繰り返しているわけではない。
 できるだけ残った食材も、別の料理で使い回す。
 でもたまに、思いつきで作ったレシピで、残った食材を無駄にしてしまう。

 事実、我が家の冷蔵庫には、思いつきで作った生春巻きの残り食材「ライスペーパー」がずっとあって、気になっている。

目次

料理の「点と線」 レシピは”点”でしかない

 日々、主婦として家庭料理を作っていると、
「料理って、何だろう」
 と思う。

アットフローズン実食レポ|王子サーモン・スモークサーモンクリームコロッケより

 世の中には、あふれるほどのレシピがある。
 日々のメニューに頭を悩ませていると、必然的にそれらのレシピが気になって、追いかけ、探しまわり、気がついたら振り回されてすらいる自分がいた。

 そしてある時、
レシピは”点”、料理は”線”だ
 と思った。

 レシピだけを追いかけていたら、家庭料理は作れない。
 特別な日には特別なレシピも必要だけど、もっと大切なことは「線としての料理」を考えることじゃないか。

 私は若い頃、仕出し弁当やお惣菜を作る工場とか、中華レストランでアルバイトの経験がある。
 そういった場所では、全て、食材を使い切る。
 レシピのように、この料理には玉ねぎ1個、人参1/2・・・・なんて使い方はしない。

 レストランで何かを注文したときに、玉ねぎ1個、人参1/2・・・とゼロから料理はしない。すでに用意された食材から、必要な量を抜き出して料理する。
 私がアルバイトした中華レストランでも、朝、開店前にまずやることは、白菜や人参などの食材を洗って、皮むきしたり、ある程度のサイズにカットして「すぐに使える状態」に下処理することだった。

 家庭料理でもそうするべきではないか?
 たまに「キャベツ丸ごと、使い切りレシピ」なんてあって、1/4はサラダで、1/4は野菜炒め、1/4は野菜スープ、1/4はお好み焼きに・・・・といったものもあるけど、もっと俯瞰で、総合的に、まとめ買いした肉や野菜をまるごと使い切ったほうがいいと思う。

 キャベツを1/4だけレシピに使って、残った3/4はラップして冷蔵庫に・・・・

 これまでは私もそうしていたけど、これからはもっと一気に、使い切って「点」を「線」にしていく。

 もうレシピに振り回されない。
 脱・レシピだ。
 さようなら、数々のレシピよ。

「レシピよさようなら」まずは2日分の夕食を一気に作る

 そもそも、
「今日の夕飯、何にしようかな・・・」
 という発想というか、生活様式が間違っているのではないか、と思った。

 例えば学校給食。
 メニューはもう2ヶ月以上前に決まっていて、1ヶ月分の給食メニューがプリントされたものが配布される。

 給食センターの担当者が「今日の給食、何にしようかな」なんて考えることはありえないわけで、1ヶ月単位で栄養バランスから予算まで総合的に考え、メニューが決められているはずだ。

 家庭料理もそんなふうに、もっと総括的に考えたいと思った。

 さすがに「1ヶ月の夕食メニュー」をまとめて考えるのはハードルが高いけど、1週間くらいならできないか?いや5日、3日でもいい、まとめてメニューを考えて、食材もできるだけ使い切る。
 そうすれば、料理の回数も減るから、家事も減る。

 そこでまずは「2日分のメニューをまとめて考える」と思ったのが約1週間前。
 2日単位でメニューを考えて、
「料理するのは2日に1回」
 を目指した。

 作ったメニューは以下の通り。

日曜日(1日目)
 ・焼きそば

 1.豚肉を炒める(弱火)
 2.炒めている間に野菜(キャベツ・人参・長ネギ)を焼きそば用に切る。人参、長ネギは2日目用の豚汁用としても切っておく。
 3.大根、ごぼうも豚汁用に切っておく。
 4.炒めた豚肉は半分を豚汁用に冷凍。半分は焼きそば用にとっておく。
 5.「2」の野菜を炒め「4」の豚肉も入れて焼きそばにする。目玉焼きを乗せて完成。
 6・豚汁用に切っておいた人参、長ねぎ、大根、ごぼうは冷凍しておく

月曜日(2日目)
 ・ソーセージ
 ・豚汁
 ・切り干し大根
 ・かぼちゃの煮物

 2日目は野菜を洗ったり、まな板を出して切ったりをしなくてもいい。

 1.1日目に冷凍しておいた豚汁用の食材で豚汁を作る
 2.ソーセージは茹でる
 3.切り干し大根、かぼちゃの煮物は別日に作って冷凍しておいたものを解凍する

 メイン食材はソーセージというのはちょっとさみしいけど、豚汁にも豚肉が入っているのでこれで十分。

 基本的に「肉と野菜をバランスよく食べる」ということだけ、考える。
 お肉だけとか、野菜だけとか、偏らないようにして、野菜も葉物野菜だけ、根菜だけとならないようには注意する。
「サラダ食べたから、野菜も摂取してる」
 というのはワタシ的にはNGで、ごぼうや人参などを、極力食べるようにしている。

あると便利な常備菜をまとめて作っておく

 「2日まとめてメニューを考える」とは言ったものの、この時は数日前に作り置きとしてまとめて作った
・筑前煮
・かぼちゃ煮
・切り干し大根煮
 が冷凍保存されていた。

 常備菜とか、箸休めと言われるメニューも、まとめて作って小分けに冷凍している。

 面倒な時は、レトルトで売っているかぼちゃ煮とか、切り干し大根煮を買うが、できれば手作りして保存したい。

 なかでも「筑前煮」は「野菜を切って煮るだけ」なので簡単にできるし、根菜が常備できるので便利。人参・ごぼう・しいたけの3つだけを切って煮て冷凍しておいてもいい。解凍してそこに、鶏肉とか、厚揚げとか、さつま揚げを足せば「筑前煮(がめ煮)」がすぐに作れる。

 レトルトの筑前煮も売っているし、お惣菜の筑前煮もあるが、高額なわりにびっくりするほど少量なので、自作したほうが大量に作れて経済的。

 ただし、筑前煮にはコンニャクも定番だが、冷凍保存に「こんにゃく」だけは入れない。こんにゃくを冷凍すると、解凍後に食感がカチカチになってしまうので注意。こんにゃくを入れたい時は、解凍後に別途追加する必要があるが、私は面倒なのでこんにゃく抜きの筑前煮を大量に作って、保存容器に小分けして冷凍保存する。

 今回は「2日まとめてメニュー」と言っても、これらの冷凍保存の常備菜があったので、特に「おかずが少ない」ということはなかった。

 1日目にまとめて食材を切っておいたので、2日目は楽に調理できて時短だし「晩ごはん、何作ろう」という負担もなかった。

 「焼きそば→翌日豚汁」は今後も定番化したい。

 ちなみに、豚肉をまとめて炒めて2日分に分けた理由は、加熱したほうが扱いやすくなるし、日持ちもするから。

 生肉って、切ったり、触ったりすると片付けが大変。まな板も生肉を切ったあとはしっかり洗わないと「菌」が心配。

 私も紙パックの飲料を「使い捨てまな板用」に洗って取っておいたり、まな板が汚れないように保護するまな板シートを使ったりするが、それでも切ったあとの包丁とか、洗うときに気を使う。

 なので最近は、生肉はもう切ったりせずに、ほぼ丸ごとフライパンに入れて炒める。

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 加熱さえしてしまえば「菌」も気にならないので、切る時は「加熱後」に切る。ただ豚肉などは「切り落とし」のこま切れ肉を選べば切らなくてすむし、経済的にも助かるので、ほぼ切り落とししか買いません。

 この調子で「2日分まとめてレシピ」を続け、夕食作りは2日に1回をまずは目指します。

参考書籍 稲垣えみ子「もうレシピ本はいらない」

 レシピってなんだろうと考えるきっかけになったのは、アフロ記者として名を馳せる元朝日新聞記者の稲垣えみ子さんの本を数年前に読んだからでもある。

 稲垣えみ子さんの説には一理ある。1970年代のベストセラー桐島洋子の「聡明な女は料理が上手い」に異を唱えているあたり、激しく同感する。

 ただ、この本に書かれている半自給自足のような(ベランダで野菜を栽培するとか)食生活は、独身ならいくらでも真似できるが、家庭料理では難しい。

 冷蔵庫も捨てるし、炊飯器も処分する。もちろん電子レンジもないし、冷凍食品やお惣菜も買わない。

 漬物と味噌汁(出汁も入れない)と、たまに豆腐やがんもどきの食生活。お米は玄米で、漬物は自家製ぬか漬け。理想的と言えなくもないけど、修行みたいに感じてしまった。

 ほぼビーガンの、野菜と大豆食材のみの食生活は私も一時期やっていた。マクロビオティックに興味があり、久司道夫さんの本を読み漁った時期もある。最初は引き込まれたけど、だんだん宇宙との対話がどうのこうのとか・・・スピリチュアルな話が出てきて怖くなってやめた。

 そのへんを抜きにしても、稲垣えみ子さんは「クセ強」のかなり個性的な方なので、あくまでも参考程度にしつつ、真似できるところは真似したい(できるかなあ・・・・)。

 この本自体は、もっと世の中に浸透してほしい。世に溢れ出す「レシピ」に振り回せることが、いかに人生を「生きにくく」していることか。料理をちゃんとしないと「ダメな女」の烙印を押され、「聡明な女」か「ダメな女」の二者択一しかないなんておかしいぞ!というあたりの理論は本当にすばらしい。

 「食育、とても大切」と久しく言われて、手料理や自炊をしない母親が「ダメな母」みたいに見られるのも、とても嫌。誰かが私に面と向かって、批判してくるわけではないけど、惣菜や冷凍食品を食べている時の「うしろめたさ」や「罪悪感」はどこからくるのか。

 「食育、ちゃんとしないと」というプレッシャーが、どれだけ多く女性を苦しめ、料理や家庭に縛り付けていることか。

 その意味では、稲垣えみ子さんの言っていることは正しい。

 だがその解決方法が、うーん、ちょっとそうではないのかな、というところが残念というか、少なくとも家庭料理には活かせないので、そこをなんとかしたいというのが、今の私の思い。

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