ニューヨークタイムズの山口市紹介の原文と翻訳

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 2024年になって、個人的に一番驚いたニュースが、
「アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2024年に行くべき52カ所」で、山口市が3番目に選ばれた」
 です。

 わたしはかつて、山口市の住人でした。

 正直、西の京と言われ「これのどこが京都だよ」と言われんじゃろか?
 西の鴨川と言われる「一の坂川」を見て「え?小っさ!」と怒られんじゃろか?

 ・・・・と心配になりますが。

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目次

ニューヨークタイムズの元記事・原文と翻訳

 まず、『アメリカの新聞、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2024年に行くべき52カ所」』の原文を探しました。

↓原文はこちら
Where in the World Would You Most Like to Travel?

 高3の時に「英検2級の試験に落ちた」私が(笑)、翻訳機能を駆使して「Yamaguchi, Japan」部分のみを訳してみました。余談ですが当時(40年近く前の話です)、英検の試験会場は山口市の野田高校でした。他校の生徒だった私は当時「制服が堀越学園に似てる」と言われていた野田高校に初めて訪れることで、緊張してしまい英検2級不合格でした(言い訳・・・)。

↓翻訳がこちら

「あなたが世界で一番旅行したい場所はどこですか?」

 旅行が好きですか? あなたが愛したものはどこにありましたか? ずっと行きたいと思っていた場所はどこですか?
 タイムズ トラベルのセクションでは毎年、「行きたい 52 の場所」のリストが発行されます。 編集者が 2024 年に訪れることを提案する目的地のいくつかを以下に示します。
(皆既日食が見られる北米、オリンピックが開催されるパリの紹介・・・中略)

山口、日本
 山口市は西の京都と呼ばれることが多いが、それよりもはるかに興味深いものであり、「観光公害」に悩まされることもかなり少ない、瀬戸内海と日本海に挟まれた、狭い谷間に位置する人口約19万人のコンパクトな街です。

 申し分のない庭園と、見事な五重塔がある瑠璃光寺(るりこうじ)は国宝。市内の曲がりくねった小道では、様々な体験ができる。洞春寺(とうしゅんじ)の境内にある水ノ上窯では陶芸体験。「LOG COFFEE ROASTERS(ログコーヒーロースターズ)」や「COFFEEBOY 山口店(コーヒーボーイ)」などのシックな喫茶店や「原口珈琲」のような古いスタイルも。おでんや鍋料理が食べられる、カウンターのみの素敵なお店も。南へ15分歩けば、湯田温泉という温泉街もあります。

 
 山口市の一番の観光スポット「瑠璃光寺(るりこうじ)」はこちら
 2024年現在は約70年ぶりとなる大改修中のため、五重の塔はシートに覆われています(なんというバッドタイミング・・・)


一休.com山口市のおすすめ観光スポット17選より

 ちなみに、ニューヨークタイムズのサイトにある、山口市の次に書いてある4つめのおすすめの場所は「カリブ海のドミニカ」です。

↓翻訳はこちら

『ドミニカ、カリブ海西

 インド諸島にある面積 290 平方マイルの独立国ドミニカは、火山、熱帯雨林、滝、温泉がパッチワーク状に連なり、ネイチャー アイランドというあだ名が付けられています。 今年後半には、5,400万ドルをかけて緑豊かなロゾー渓谷から約200フィートのボイリング湖まで乗客を連れて行く全長4.1マイルのケーブルカー路線のおかげで、訪問者は大自然を鳥瞰することができるようになる。 -広範囲にわたる噴気孔は200度近い水で満たされており、現在そこに到達するには厳しい登山が必要です。』

 なんか・・・山口市とずいぶんスケールが違う。4.1マイルのケーブルカー路線とか、広範囲にわたる噴気孔とか・・・

 その前の二番目の「フランス パリ」も、行ったことはないけど、世界的に有名な観光都市でもある。あいだに挟まれて紹介した「Yamaguchi, Japan」が、急にスケールダウンして、世界から「なんだここ!」てツッコまれやしないかと、心配です。

 シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫の像、ベルギーの小便小僧・・・これを合わせて「世界三大がっかり」と呼ぶそうじゃないですか。

 元・山口市の住人だったからこそ言いますが、ガッカリしないでね、世界の人。

 

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ニューヨークタイムズの山口の記事はとっても狭いエリア

 
 ネット上でニューヨークタイムズに関する関連記事を沢山見ましたが、一部に「山口市」と「山口県」の観光を混同しているものがありました。

 ニューヨークタイムズの記事はあくまでも「山口市」の、いわば「瑠璃光寺を中心としたエリア」に限って言及しています。

 つまり、山口県といえば定番の錦帯橋とか、秋吉台といった観光地について注目しているわけではなく、なんなら「瑠璃光寺一択」で記事になっている。

 ここに注目したいところですが、元・住人の私に言わせるとニューヨーク・タイムズの記事が語っているのは「とっても狭いエリア」であり、あっという間に観終わってしまうであろう場所です。

 瑠璃光寺や洞春寺、紹介された喫茶店などどれも山口市の半径500m圏内に位置するもの。

 東京の観光をおすすめする時に原宿の竹下通りと表参道だけ紹介して「東京は楽しい街ですよ」て言っているのに等しいような・・・・

 同じ記事で紹介されている「4月の皆既日食を見ることができる北米全域」とか「オリンピックが開催されるフランスの首都パリ」に比べても、急に山口市の半径500mに絞ったエリアだけ紹介して「コンパクトシティ」て言われてもねえ。

 これから山口市を観光する予定という方には、ニューヨークタイムズの記事に付け足して、秋吉台や秋芳洞、萩、下関などの山口市からも近い場所にある定番の山口観光エリアをおすすめします。

 山口市からは少し離れていますが「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」という写真集で3位に選ばれた角島(つのしま)に続く「角島大橋」や、瀬戸内のハワイと呼ばれる「周防大島(すおうおおしま)」もおすすめの観光スポットです。

 個人的には秋吉台のカルスト台地が好き!


個人が勧める日本の絶景 Vol.148 ~山口県 秋吉台~: Japanese Amazing Views Akiyoshidai Park
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山口市はなぜ「西の京都」なの?

 ところで、山口市を「西の京」「西の京都」と呼ぶのは、私が物心つく前からでした。
 西の京だからということで、新設された高校に「西京高校」と名付けたほど(いとこが通っていました)。

 これは平安・鎌倉時代に実質的な周防の支配者と言われた大内氏(おおうちし)が、京に模した街づくりをはじめたからと言われます。

 特に、長門・周防国(現在の山口県)の守護に任じられた第24代当主の大内弘世(おおうちひろよ)は、1360年ころ政庁を山口に移し、山口の「一の坂川(いちのさかがわ)」を京の鴨川にみたて、街づくりを行ないました。

 さらに、第29代当主の大内 政弘(おおうち まさひろ)が、応仁の乱で荒廃した京から公家、僧侶、雪舟などの芸術家を山口に招き、文化の興隆に尽力。後年山口が西の京と呼ばれる基礎を築きました。(Wikipediaとその他のサイトで「第◯代」の表記に違いがありますが、「山口観光情報サイト・西の京やまぐち」に掲載の表記を参考にしました)

 ただ大内氏はその後滅亡。1551年、第31代当主の大内義隆が、家臣の陶隆房に謀反を起こされ、義隆と一族は自害(大寧寺の変)。領土のほとんどを毛利元就が手に入れています。

 かれこれ500年も前に滅亡した「大内氏」。それでも山口市が「西の京」と呼ばれ続けているのは、ある意味、日本全国にある「小京都」に寄せていっていのだと思います。観光誘致や町おこしの材料として「西の京都です」と頑張っている感が、昔からありました。

 あらためて大内氏のことを調べて、500年前に滅亡していたと認識し、それでも「西の京」と言い続けている山口市に、ある種の切なさを感じる・・・・

 個人的に京都も大好きなので、何度も行きましたが、鴨川に比べたら「一の坂川(いちのさかがわ)」はずっと小規模ですし、京都の街に比べたら、山口市の中心地もめちゃくちゃコンパクトです。

 正直な話、ここ数年は郊外型のショッピングセンターができたことから、かつて賑わっていた中心地は閑散としています。

 数年前、東京から出張で山口市を訪れたという知人が、
「山口駅から取引先まで、20分くらい歩いて移動したけど、歩行者が一人もいなかった」
 と話していて、
「いくらなんでも、そんなわけない!」
 と言いました。

 でも、そのくらい、かつての街の中心である道場門前や米屋町のアーケード街などが、空洞化しているのではないでしょうか。

 私が高校生くらいまでは、道場門前や米屋町のアーケードには人が沢山歩いていた。映画館もあった。お店も沢山あった。今はちょっと、寂しい感じは否めない。

↓「大内氏」くわしくはこちら
山口市観光情報サイト 「西の京 やまぐち」 大内氏関連年表

ニューヨークタイムズが紹介の山口市のコーヒーショップ

 上記のニューヨークタイムズの元記事のサイトには、お店の場所を知らせるグーグルマップのリンクも設定されています。

 なんで公式サイトのリンクじゃなくて、グーグルマップのリンクなんだろうと思ったけど、公式サイトはどれも日本語だからリンクを貼ってもニューヨークタイムズの読者には読めないからでしょうね。

 山口市の皆さん、今後観光客を世界から呼び込もうと思っているなら、まず公式サイトに英語表記のページを!

「じゃあお前がまず、英語で書けよ」
 と言われそうですが、こちとら「英検2級不合格」なので、できません(苦笑)。あくまで、このブログは日本国内で「山口市に行ってみようかな」という方に向けて書いています。

 最初に紹介されていたのは、山口市中心商店街にあるスペシャルティコーヒー専門の自家焙煎コーヒーショップ【LOG COFFEE ROASTERS(ログコーヒーロースターズ)】。

↓公式サイトはこちら
https://log-coffee-roasters.com/

 次に道場門前商店街の中ほど、どうもん広場の一角にある【COFFEEBOY 山口店(コーヒーボーイ)】。COFFEEBOYはチェーン店で山口店の他にも周南市や下関市にお店があります。

↓公式サイトはこちら
https://www.coffeeboy.co.jp/shoplist/phstreet/

 「古いスタイル」と紹介されたのは、自家焙煎ネルドリップ珈琲のお店「原口珈琲」。インスタグラムを観たけど、激シブのコーヒーショップです。

↓公式サイトはこちら
https://haraguchicoffee.stores.jp/

ニューヨークタイムズが紹介の山口市のおでんの店

 記事にある「おでんや鍋料理が食べられる、カウンターのみの素敵なお店」も気になりました。コーヒーショップのように、店名が紹介されていません。

 ただ、調べてみるとこのエリアにある「おでん屋」はただ1軒。食べログの口コミにようると「カウンター席のみで 7席」というお店なので、おそらくそこで間違いないでしょう。

 ただグーグルストリートビューで見たら、看板もないお店です。食べログにも「常連さんのお店」とあります。

↓おでん屋さんはおそらくここ
かんたろうおでん(食べログ)

 お店のある路地は「新天街」という路地で、地元のテレビ局がレポートしている動画を見ると「昔は17店舗あったが、今はこれだけしか残っていない」と、別のお店の店主がお話されています。

 「今はこれだけ」が何店舗なのかは不明ですが、動画を見る限りかなり寂れています。

↓動画はこちら
ニューヨークタイムズも注目の山口市紹介動画まとめ

ニューヨークタイムズが紹介の山口市の陶芸体験

 陶芸体験ができると紹介されていた洞春寺(とうしゅんじ)境内にある水ノ上窯(みずのうえがま)は、萩の窯元で12年間の修行を重ねて独立した、山口市出身の陶芸家・舛井岳二さんの窯元です。

 洞春寺は瑠璃光寺の近くにある毛利元就の菩提寺。瑠璃光寺のすぐわきにあるので塔頭(たっちゅう=本寺の境内(けいだい)にある小寺)かなと思ったけど、そうではない。

 瑠璃光寺は元禄3年(1690年)に山口市仁保高野にあった仁保瑠璃光寺を移転したもの。国宝の五重塔のみ、室町時代の嘉吉2年(1442年)頃の建立。

 洞春寺は明治2年(1869年)に萩から現在地に移転しました。

 水ノ上窯の公式サイトはなく、インスタグラムで情報発信されています。

まるでセントラルパークみたいな公園

 ニューヨークタイムズ記事でも紹介の「瑠璃光寺」は、山口駅から徒歩だと30分くらいかかります。ちょっと遠いな・・・と思いますが、その道中の景色が魅力的です。

 足に自信があって、お天気も良ければ、ぜひ「山口パークロード」を抜けて、徒歩で瑠璃光寺へ。

 「山口パークロード」は、日本の道100選にも選ばれている道で、両脇の街路樹や、隣接する公園の景色が「まるでニューヨークのセントラルパーク」みたいな道です。

 まずニューヨークタイムズということで、ニューヨークのセントラルパーク周辺の様子がこちら。

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