私がExcelで数年間つけていた家計簿を紹介する。
初期のものは関数を使って、科目別に集計できるようにしていた。
ネット上にも「SUMIF(サムイフ)」関数を使って、科目別に集計する方法などが紹介されている。
もっと簡単に、もっと手軽に、サクッと集計できる方法がある。
関数の知識は不要。
日々、日付と金額と、科目を入力するだけで年別、月別、科目別の一覧が集計できる。
Excelで作る簡単家計簿
私は、現在は手書きの家計簿を使っている。
Excelだとどうしても、家計簿をつけたい時にすぐ記入できない。まず、PCの電源を入れて、Excelを開いて・・・という作業が必要になる。
パッと家計簿を開いて、サッと記入したい。
そんな理由で、私は数年前にアナログな手書き家計簿に戻った。
だけどこれから家計簿をつけようかなと思っている人。計算が苦手な人。手書きが嫌いな人(私も元々は手書きが嫌いだった)。そういった人にはExcelの簡単家計簿を紹介したい。
難しい「関数」を使わなくても、月別、科目別に集計できる機能がある。
Excelで関数を使わずに家計簿を集計する方法
科目別の集計には「ピボットテーブル」という機能を使う。
ピボットテーブルはExcelのデータ集計・分析機能。行と列(縦と横)に項目を設定することで、データが集計できる。
まず用意するものは、集計の元となるデータベース。ここに、日々の支出を記録していく。

日付・・・支払いが発生した日
支払先・・・買い物をした店名など
用途・・・支払いの内容
金額・・・支払いの金額
科目1・・・科目のコード番号
科目2・・・科目の名称
備考・・・カード払いやポイント利用などのメモ
科目のコード番号の存在理由は、ピボットテーブルで集計した時に、コード番号順に科目を横並びさせるため。コード番号がないと、科目の並び順が指定できなくなる。
科目コードは別のシートに、コードのデータベースを作っておく。

この表を元に、科目コードを食費なら「1」外食なら「2」と入力してもいい。
もっと簡単にしたいなら「VLOOKUP関数」を使う。
日々の支出を記録していくデータベースの「科目2」に「VLOOKUP関数」を設定。参照元を上記のコードのデータベースにする。「1」と入力すると科目2に自動的に「食費」と表示できるようになる。
関数の定義は↓以下の通り。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
▼詳しい使い方はこちら
Excel(エクセル)VLOOKUP関数の使い方を解説
Excelでピボットテーブルを使って科目別の家計簿を集計する
ピボットテーブル機能を使って、上記の日々の支出を記録したデータベースを集計すると、下記のような科目別の表ができる。

ピボットテーブルは原型になる表(元表)にまとめられたデータを自動集計する機能。
だから必ず「元表」としての「日々の支出を記録したデータベース」が必要になる。
データベースは日付が前後しても問題ない。内容をあとから変更しても、ピボットテーブルの更新機能で集計を一瞬に修正できる。
メニュータブ「挿入>ピボットテーブル>テーブルまたは範囲から」の順でクリック。

「表または範囲の選択」に自動的にデータベースとなっている「日々の支出を記録したデータベース」が指定されていることを確認します。
ピボットテーブルのフィールドから

上記のように「日付」「金額」「科目」「科目2」「年」を選択。
下の「列」「行」「値」にそれぞれ、選択した項目をセット。もし自動的に「科目」や「金額」が『行』のボックスに入ってしまっても、ドラッグで移動できる。
金額が正しく集計されない場合は、金額の▼をクリックし「値フィールドの設定」を確認する。

「選択したフィールドのデータ」が「個数」になっている場合がある。その時は「合計」に変更すること。

『列』のボックスに入っている「科目」「科目2」も▼をクリックして「値フィールドの設定」を表示。
「小計とフィルター」の指定が「自動」になっていると、科目と科目の間に不要な集計が入ってしまう。その場合「なし」に変更すること。

集計が「年」の合計しか表示されない時は、「+」をクリック。

月別で集計が表示されるはずである。
このデータベースを何年も続けていれば、年単位での比較もできるようになる。
またピボットテーブルが使いこなせるようになってきたら、別シートで支払先(購入した店)別の集計などもできる。
「日々の支出を記録したデータベース」が新たに追加された時は、「ピボットテーブル分析>データソースの変更」でデータベースの範囲を指定し直さないと、追加されたデータが反映されない。

データの追加はしていないが、金額に変更があった場合は「データソースの変更」の左にある「更新」をクリックして、必ず集計表にも反映させる。
以上がExcelで家計簿を簡単に集計する方法である。
この方法のおすすめポイントは、科目を自由に設定できること。記入漏れがあったデータをあとから登録しても、簡単に集計できること。月単位、年単位での比較が簡単にできることなどである。
