前回「Kindleの0円本なら、お金をかけずに今すぐ読書感想文の宿題を終わらせられる。」と紹介した。
しかし「人間失格」や「遠野物語」など、かなり長文の作品が多かった。
「今すぐって・・・こんな長い話、読み終わるまでに時間がかかる」
と思った方に、さらにおすすめの「ページ数が少ない本」を紹介。
こちらもKindleの青空文庫だから0円で読める(著作権が切れているため)。
Kindle0円本 太宰治「走れメロス」
Amazonのデータによると「人間失格」のページ数は248ページ。
「やはり中高生には、名作を読んで欲しい!」
と思うあまり、前回はページ数の多い作品ばかり紹介してしまった。
そこで、同じ太宰治でも「走れメロス」を紹介する。
こちらは17ページという短さ。もちろん0円で読める。
Kindle0円本 芥川竜之介「藪の中」
こちらも16ページという短編。
人間のエゴや真実の相対性を描き、「真相は藪の中」という言葉の語源にもなった芥川龍之介の名作。
なお芥川竜之介は「羅生門」(11ページ)や「トロッコ」(10ページ)なども短く、すぐに読める。
Kindle0円本 森鴎外「高瀬舟」
森鴎外の「高瀬舟」は15ページ。
安楽死や「足るを知る」というテーマを通し、罪とは何か、本当の幸福とは何かを読者に鋭く問いかける、森鷗外の名作。
Kindle0円本 夏目漱石「自転車日記」
個人的に好きな本なのでおすすめしたい夏目漱石の「自転車日記」。
小説ではなく、随筆(今でいうエッセイ)。
10ページしかない上に、ユーモラスな内容なのですぐに読める。
夏目漱石がロンドン留学中に自転車の練習に悪戦苦闘する様子を描く。
下宿の主人に勧められ、慣れない自転車に乗り、何度も転倒しながら奮闘する姿が自虐とシャレを交えて語られる。
作家として知られる漱石の、人間味あふれる一面が垣間見える作品。
Kindle0円本 梶井基次郎「檸檬」
10ページ。
憂鬱な現実を打ち破る一瞬の空想と、それによって得られる爽快感を描いた梶井基次郎の代表作。肺を病んだ“私”は、果物屋で買い求めた「檸檬」をある場所に置いて「まるで爆弾のようではないか」と思う。
Kindle0円本 岡本かの子「家霊」
18ページと少し長いが、物語に引き込まれてグイグイ読める。
私が高校生の時、国語の教科書に載っていた作品。
今回改めて読んで、最後には涙が出た。
病気の母の代わりに店の帳場に座るようになった料理屋の娘と、毎晩、料理を無料でせがみに来る彫金師の老人の話。
放蕩者だった父と、店を必死に守ってきた母。母の心の支えは、彫金師の老人だっただけに、娘は老人の要求を断れない。
若い頃に読んだ時は、娘の気持ちになっていたが、今は病気の母の気持ちに共感する。
そして若い頃はただ「迷惑な人」としか感じなかった老人も、まったく違った風に見えてきた。