市原悦子「家政婦は見た」の原作・松本清張「熱い空気」

テレビで紹介

 市原悦子さんの代表作とも言えるドラマ「家政婦は見た!」は、1983年7月2日に放映された『松本清張の熱い空気-家政婦は見た! 夫婦の秘密「焦げた」』が第一作でした。

 今回はその松本清張の原作小説「熱い空気」に関する話題です。




 2012年12月22日テレビ朝日で放送の米倉涼子さん主演のドラマ「熱い空気」が放送されました。

 私はこの時初めて、この「熱い空気」という松本清張の作品が、「家政婦は見た!」の原作になっていると知りました。

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松本清張の「熱い空気」とは?

 松本清張といえば、推理小説作家ですが、「熱い空気」は推理小説ではありません。

 市原悦子さん主演の「家政婦は見た」シリーズの第1作でもあったように、家政婦の物語です。とはいえ、最後は意外な結末ですので、ネタバレを知りたくないという方はここから先はスルーして下さい。

 「熱い空気」が収録されている松本清張の本はこちら。
 表題作となっている「事故」と「熱い空気」の二作が収録されています。


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 ちなみに、市原悦子さんのドラマ版「家政婦は見た!」は第一作が好評だったことからシリーズものとなります。

 しかし、第一作の原作者である松本清張は、続編を書くことを断ったそうなので、2作目の「家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…」以降は、脚本家の柴英三郎のオリジナルで制作されました。

「熱い空気」の原作のあらすじ

 以下、松本清張の「熱い空気」のあらすじです。

「夫の浮気が原因で離婚した河野信子は、身寄りもないことから渋谷区道玄坂上の「協栄家政婦協会」に三年前から所属し、派遣の家政婦として働いている。

 ある時、派遣された稲村家で主人の浮気を知った信子。信子は稲村の妻や子どもに酷い扱いを受けた腹いせに、稲村家を不幸に陥れようと画策する。信子の計画通り祖母は耳の火傷で入院し、水戸へ出張と言って出て行った主人が水戸へは行っていないことも妻の春子に知れた。

 揉める夫婦を見て喜ぶ信子。しかし、主人が浮気相手と宿泊していた熱海のホテルでチフスが発生し、妻・春子の実の妹、寿子も同時期にチフスを発症したことから、「ご主人の浮気相手は、奥様の妹の寿子さんだったのね!」と、意外な浮気相手に信子も驚く。

 チフスの騒動で稲村夫妻が留守なのをいいことに、ベランダの長椅子でくつろぐ信子。出前の天丼までとって、味わっているところに、稲村家の三男坊、健三郎が放った矢が信子に致命傷を与え・・・」

 というのが松本清張「熱い空気」のあらすじです。
 派遣先の稲村家の主人は医者という職業ですが、そこのあたりはあまり詳しく書かれておらず、ただ、医者という職業を鼻にかけるようなところが主人にも妻の春子にもあって、家政婦の信子は恨みつらみをつのらせていきます。

 最後は「頭のなかに火箸を突っ込まれたようになった。痛いという感覚でなく、眼の玉が飛び出そうな灼熱を感じた」とあり、健三郎がテレビの西部劇を真似てつくった竹の矢が耳か頭に刺さったようなのですが、はっきりとそう書いてあるわけではなく、なんとなくその前の描写から「忖度」して、わかるような結末になっています。

 竹の矢にはさらに火がついており、日頃から健三郎が火のついた矢を放って遊んでいるのさえ「健三郎をおだてれば、この家を焼くくらいわけないかもしれない」などと思ったりして、放置していたことのある種天罰というか、不用心が招いた悲劇というか、別の見方では自業自得とも言えます。

 要するに信子という女は、ものすごく稲村一家、特に妻の春子に嫌悪感を抱いていて、皆不幸になればいいと思っていたような、ちょっと、いや、かなり性格の歪んだ女として描かれています。

 その歪み具合は市原悦子さん演じる家政婦とも、米倉涼子版の家政婦とも違って、あくまでも原作小説の中の話ですが、もっと暗くてネチネチして、時にはものすごくガラの悪い女性像になっています。

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