Netflixのドラマ「地獄に堕ちるわよ」を観て、細木数子にハマっている。
細木数子がテレビで活躍していた頃は、まったく興味なくて、なんなら「嫌い」とすら思っていた。
なのに「地獄に堕ちるわよ」を観てからというもの、どうしても嫌いになれないのだ。
そしてついに、細木数子が1982年に出版してベストセラーになった、最初の本も手に入れた。
あれだけいろいろあって、一度は信用が地に落ちたと言っても過言ではない人なのに、結局後継者も決まって、今も六占星術は続いているとなると、やっぱり六占星術てなんらかの「パワー」を秘めているのかな?と思ってしまう。
細木数子の最初の本
細木数子が最初に出版したのは1982年(昭和57年)に「ごま書房」から出版された本『六占星術による運命の読み方~あなたの運命は12年周期で揺れ動く』。
私はAmazonのマーケットプレイスから、古本を入手した。
この本は後に文庫化されてKKベストセラーズからも出ている。古本の多くはKKベストセラーズの文庫版だ。
しかし幸いなことに、Amazonのマーケットプレイスに1冊だけ「ごま書房の初版本です」というものが出品されていて、入手できた。値段も送料込みで1000円くらいだった。

奥付にもちゃんと「初版第1刷」とある。
格安で買えて、ありがたい。

Amazonのマーケットプレイスはこちら
→六星占術による運命の読み方: あなたの運命は12年周期で揺れ動く
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→六星占術による運命の読み方
細木数子の2冊目の本と間違えやすいので注意
ただこれ、非常に間違いやすい。
似たようなタイトルで3年後の1985年(昭和60年)にごま書房から出ている、細木数子の2冊目の本『運命を読む六占星術入門~あなたの運命は12周期で揺れ動く~』という本もある。
私は間違えて最初にこの本を入手した。
読むと最初から「『六占星術による運命の読み方』を出版してから、はや四年たちますが」と書いてある。
四年?三年では?・・・・という突っ込みはさておき、この序文を読んで「なんだよ!」と思った私は、慌てて一冊目の古本を探した。細木数子ブームが再来して、高値が付けられたら買えなくなるからね。
結局我が家には今、2冊のごま書房の細木数子本がある。

細木数子の暴露本とも言える溝口敦の「魔女の履歴書」によると、細木数子と「ごま書房」は揉めて、この2冊を出したあと決別。以降は他社から六占星術の本を出している。
2冊入手して「あれ?」と思ったのは、イラストや「〇〇星人」などの記述が一部、そのまま同じという点。それで2冊目の表紙を見て気づいたのが「増補改題」という文字。

これまた「なんだよ!」と言うしかない。
最初の第1章に書いてある有名人・芸能人の大殺界や占命盤の話は2冊に違いがあるが、後半の六占星術の話や「◯星人の人は〇〇」といった星人別の解説のページはほぼ同じだ。
どうしても読みたいという方は1冊目の「六占星術による運命の読み方」のみで十分だと思う。
六占星術は中国の夏王朝の時代から伝えられた?
表紙を開いた瞬間に、目に飛び込んできた「リード文」にも謎が多い。
表紙カバーの折り返し部分にある文章だ。

これまでサブスクで何冊か、細木数子の本を読んだけど、どこでも「六占星術は私が考案した」と公言している。
1冊目の本では、リード文で約四千年前から連綿と伝えられていると言っている。そうなの?
しかし本文では、最初に、
「「六占星術」とは、中国に四千年以上前から伝わる万象学、算命学などをもとに、私があみだしたものです」
と書いてあるから、結局どっちなの?と思う。
裏表紙には菅原文太の名前
裏表紙には菅原文太の名前で推薦文が掲載されている。
さらに細木数子の写真も。

その下には<著者がこれまで占った著名人>として、美空ひばり、森進一を筆頭に芸能人やスポーツ選手の名前が列挙されている。
占い・予言は当たっているのか?
本を読むと「六占星術」の元々の存在理由は、自分の運命を知った上で人生の決断をするべきだということ。人生にはかならず「いい時期」と「悪い時期」があるので、大きな決断は「悪い時期」にしてはダメだ、と説いている。
一例として出てくるのが「江川卓」。大殺界に入っている時に巨人軍に入団したから、甲子園、六大学野球のヒーローから一点、ダーティな悪役へとなってしまった。1984年(昭和59年)には他球団へのトレードの可能性があると占っている。実際の江川卓は1987年の引退まで巨人軍でプレイしている。
また「水星人」の章では「美空ひばり」の名前が出てくる。「数度にわたって彼女の目の前で占っています」とした上で、美空ひばりは昭和56年(1981年)から強運気に入っている。56年にひばりさんの母が亡くなったのは「(強運気を)象徴的に示す出来事」であり、母の死は「彼女のもって生まれた”異物”を全部捨て去ったということを意味する」と解説。
美空ひばりの母は、昭和56年に脳腫瘍で68歳で亡くなっている。
本では、母という存在が消えた時に初めて「いい意味で利己的に生きることができるようになった」ことから、昭和57年から58年に飛躍する可能性がとても高く、大ヒットをとばすことになると占っている。
実際の美空ひばりに起こった出来事は、
・昭和57年 親友の江利チエミが45歳で急死
・昭和58年 実弟のかとう哲也が42歳で急死
と、不幸が続いている。
昭和57年にリリースされた「裏町酒場」が2年振りのロング・ヒット曲となったものの、大ヒットというほどではない。そしてこのあたりから美空ひばりは体調不良が続き、入退院を繰り返す。
母の死によって、彼女の過度な飲酒に歯止めが効かなくなったからだ。「最強のストッパー」と言われた母の静止がないこと。次々と肉親や親友を亡くして、孤独を埋めるために酒に溺れたこと。それらによって体を壊してしまったのだ。
美空ひばりの直接の死因は「間質性肺炎」だが、1987年に大量吐血して救急搬送された際、重度の「肝硬変」と診断されていた。過度の飲酒が原因だ。母の存在は「彼女のもって生まれた”異物”」なんかではない。かつては「一卵性母娘」とあだ名されたほどの、強烈な絆で結ばれていた母と娘だ。ある意味「母無しでは生きられない」ほどに、一心同体だったのだ。
大病からの奇跡的なカムバックと言われた「みだれ髪」は確かに大ヒットしたが、回復したかに見えた体は、再び病のため弱っていく。
「川の流れのように」が、150万枚を売り上げるミリオンセラーとなったのは、美空ひばりの亡くなった後のことだった。
当たっているといえば、当時交際がウワサされていた松田聖子と郷ひろみの破局を予言していることだろう。ただし山口百恵と三浦友和も「相性が悪い」と占い「すでに悪い影がさし始めています」とある。
有名人カップルは軒並み「別れる可能性」「離婚の危機」と書いておけば、そりゃ「数撃ちゃ当たる」でどれかが当たるだろう。
数年前に「徹子の部屋」に三浦友和が出ていたが、結婚生活で「信じてもらえないが、本当に(夫婦喧嘩を)したことがない」と語っていた。その理由として「我慢しなければならないような出来事がお互いに起こらない」からだと説明。これのどこが相性が悪いのか?
結局、外れた予言は捨て置いて、当たったものだけを「的中」と強調する。2冊目の本の冒頭で早くも「(前回の本で予言した)松田聖子さんと郷ひろみさんの別離が的中」と伝え、テレビ、雑誌からの問い合わせや出演依頼が殺到したと書いてある。
おそらく殺到はしていないだろう。
的中しなかった百恵・友和のことはどう説明してくれるのか。
江川のトレードや、美空ひばりの大ヒットも説明して欲しい。
ただ、それを誰も言えない。言わせないのが細木数子なのだ。
なぜなんだろう。
大殺界に影響を与えた「天中殺」の和泉宗章
細木数子の事を調べていたら「和泉宗章(いずみ そうしょう)」という占い師の名前が出てきた。当時「大殺界」に似たような「天中殺」てあったよな?と思って調べた。
和泉宗章は細木数子の最初の本が出版される1982年の直前、1978年から1979年にかけて「天中殺」のブームを巻き起こした占い師だ。
しかし「長嶋茂雄監督は1980年2月までに辞任する」という予言が外れたことで、1980年4月に占い師廃業を宣言。一転して占い否定論者に転向している。
細木数子の「大殺界」はこの「天中殺」の理論から生まれていると考えられる。
和泉宗章は予言が1つ外れただけで「廃業」しているのに、細木数子は外れた予言には一切触れず、当たったものだけを「的中」「依頼が殺到」と強調している。占い師を続けていけるのはこういう、「外れた事は気にしない」強メンタルの人なんだということがよくわかった。
なお「二代目 和泉宗章」を名乗る占い師も存在する。プロフィールには「和泉宗章が認めた唯一の弟子」とある。本が数冊出版されているが、売れなかったようだ。2011年以降の出版物はなく、今はどうなったのかわからない。
結局占い師は「当たるから信用できる」のではなく「当たらなかった事をどれだけ揉み消せるか」が生き残りの手段か?
予言が外れてあっさり「廃業します」と言うのもどうかと思うが、外れてもシレーっとして知らん顔はやはり叩かれてもしょうがない。
つまり占い師として生き残るためには、いかに「外れても世間に迷惑をかけない程度の予言」を繰り返す術を身につける事かも知れない。松田聖子と郷ひろみの破局にしても、百恵・友和の離婚にしても「当たっても、外れても、どっちでもいい」ような予言だ。
なんだかよくわからないが「長嶋茂雄監督は1980年2月までに辞任する」は、裏社会の金の動きなども絡むと、予言が外れると大損する人でもいたのかも・・・と思ってしまう。
そのあたり細木数子は銀座のクラブや赤坂のディスコ経営で培った天性の実業家としての「カン」の鋭さ。裏社会とのつながりで知っている知識。これらを駆使して、「外れても被害の無い予言」を繰り返したのだという結論に至った。
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