ダンジョン飯の系譜・RPGからトールキン・ワーグナー・北欧神話まで

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 昨夜、Amazonビデオで2019年公開のアメリカ合衆国の伝記映画「トールキン 旅のはじまり」を観た。


 寝る前にちょっとだけ見るつもりが、気付いたら最後まで観ており、深夜3時になっていた。

 きっかけは「ダンジョン飯」だ。
 某・日帰り温泉のマンガコーナーで偶然「ダンジョン飯」を読んだら面白く、気付いたらトールキンの伝記映画を観ていた。

目次

「ダンジョン飯」と「葬送のフリーレン」

 先に見たのはアニメ版の「葬送のフリーレン」だった。
 ただ2話までしか観てない。いまひとつ、ワタシ的には単調な感じがした。(感想・あらすじはこちら→「葬送のフリーレン」1~2話

 なんとなく、今年テレビアニメ化すると話題になっていた「ダンジョン飯」も気になっていた。


 そしたら某日帰り温泉のマンガコーナーに単行本があったので、読んでみた。

 あれ?葬送のフリーレンにも似たような「エルフ」という魔法使いが出てたよね。背の低いドアーフも出てた。「ダンジョン飯」のセンシもドアーフ族だよね、この2つの作品て何か関連性があるの?

 ネットで調べた限りでは直接的な関連性はなかった。

 ただ、こういったエルフやドアーフが登場する物語というのは前からあって、その代表がトールキンの「指輪物語」だった。

ダンジョンはやはりRPGから

 私の中の「ダンジョン」といえば、弟がやっていた初代のドラゴンクエスト。私もちょっと触った程度の記憶はあるけど、あまりはっきりとは覚えていない。ほぼ、弟がハマってやっているのを横で見てた。そこでRPGの記憶が止まっているので、RPGにエルフやドアーフが出てくるのかどうか?それはわからない。

 ただ復活したり、ワープしたり、竜と戦ったりという「ダンジョン飯」のコンセプトは、RPGゲーム要素が強いというのはわかる。

 ここで、作者の九井諒子先生に関して調べると、「かなりのゲーム好き」「ゲーマーだ」との情報が。

 SNSを検索したら、週刊ファミ通(2024年2月29日号)に九井諒子さんのインタビュー記事が掲載されているというので、早速「dマガジン」で読んだ。


週刊ファミ通 2024年2月29日号 No.1837 [雑誌]

 SNSに「ウィザードリィ」とか古いRPGを知っているから、九井諒子さんはかなり年配の方かもしれないという情報もあって、意外と私と同世代の方なのかなあ・・・なんて思ったら、インタビュー記事には「父がファミコンで『ウィザードリィ』をはじめとしたさまざまなゲームを遊んでいて」とあって、ズッコケて椅子から半落ちした。世代が近いのはどうやら、お父様の方らしい。ということは、私ら世代の子どもと同じ年齢くらいだろうか・・・・

 とにかく初代ドラクエしか知らない私には、ファミ通のインタビュー記事はほぼほぼ謎の言葉のオンパレード。ただわかるのは九井諒子先生が決して「ゲーマー」というわけでもない、ということ。

 九井諒子先生の子供の頃は父がやっている「ウィザードリィ」や「ドラゴンクエスト」「ウルティマ」「ファイアーエムブレム」などを見ていることが多かった。少し成長して自分でもRPGなど遊ぶようになったが、自身の受験や独立でゲームからしばらく離れた。ゲーム再開は「ダンジョン飯」の連載が決定した2014年からだそう。

 これを「ゲーマー」と言うか、否か。

 SNSにも「作品の研究のためにゲームをやっているのならゲーマーではない」という意見もある。

 ただやはり、インタビュー記事に凄まじい数のゲーム名が出てきて、初代ドラクエ一つ覚えのわたしには「す、すごい」としか言えない。

 「ダンジョン飯」を連載しつつ、マンガの研究もかねて様々なゲームをプレイされていたそうで、もう出てくる、出てくる、いろんなゲームの名前。インタビューの最後に九井諒子先生おすすめゲームの一覧表というのがあるが、ざっと数えても30作以上ある。

 ゲーマーというレベルではない、異次元のプレーヤー。なんか、大食い選手権とかデカ盛りチャレンジで大量の料理を、ぺろりと短時間で平らげる人を見るに等しい感じがする。ゲーマーを食に言い換えたら「グルメ」かもしれないが、大食いの人をグルメとは言わないように、フードファイター並みのゲーム量の人をゲーマーと呼べるか?みたいな感じだろうか。初代ドラクエ一つ覚えのワタシだから、ズレてる感想かもしれんが。

 「ダンジョン飯」のエピソードで、悪夢を見たマルシルの夢の中にライオスが入るって話がある。マルシルの夢の中には、どこまでも続く本棚に本がびっしり詰め込まれており、ライオスは殺風景だった自分の夢の中とは大違いだと驚く場面がある。大量の本は、これまで魔術の研究と探索を続けてきたマルシルの努力の象徴だと思うけど、九井諒子先生もインタビューを読むと、大量のゲームをプレイされて、マルシルの魔術並みに研究されていることがわかる。

 そしてやはり、「「はてしない物語」や「指輪物語」のような小説も好き」という発言がある。

 やはり「指輪物語」は、このタイプのファンタジーに大きな影響を与えている。やっぱりそうか。そうだよね。

 これは早速、映画「ロード・オブ・ザ・リング」も観なくちゃ、てことで、Amazonビデオで観始めたものの、あまりにお話しが壮大で、たちまち挫折した。


ロード・オブ・ザ・リング(字幕版)

 そこから、「指輪物語」原作者のトールキンの方が気になって、先に伝記映画の「トールキン 旅のはじまり」を観たのだ。Wikipediaで予備知識を入れてから観たので、ストーリーはすごく理解できた。主に、トールキンの学生時代と第一次世界大戦の従軍体験の話である。

 しかし、その映画のワンシーンで、なるほどと思ったものもあった。トールキンが後に妻となるエディスとともにオペラを見に行く場面があり、上演されているのがワーグナーの「ニーベルングの指環」なのだ。

そもそもトールキンの「指輪物語」にも元ネタがある

 「指輪物語」(ロード・オブ・ザ・リング)がトールキンの完全なオリジナル作かというと、これにも元ネタがあった。

 ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指環」にインスパイアされたこともそうだが、トールキンの小説「指輪物語」は「ニーベルングの指環」と「同じ題材をルーツに持つ作品」と言われている。

 さらにこれらのルーツをたどると、『北欧神話』が大元のネタというか、共通のモチーフだった。

↓参考サイト
文学こぼれ話:ワーグナー『ニーベルングの指輪』

 RPGゲームから北欧神話まで、九井諒子先生の知識の広さ、深さに驚くばかり。

 「ベルサイユのばら」は池田理代子先生が若干25歳で書き上げた作品と知った時も驚愕したけど、九井諒子先生の「ダンジョン飯」の料理の知識から魔物、エフルやドワーフという「伝説上の種族」の設定、ストーリー、表現力、全てにも驚きだ。

 それにしても恐るべきは「北欧神話」。
 「ロード・オブ・ザ・リング」ですら、挫折した私が、「北欧神話」を理解するのは難しい。興味はあるけど、時間がない。Disney+で配信のスター・ウォーズシリーズの新作「アコライト」だって見たいし、「虎に翼」も録画が大量に貯まっていて、早く観ないと最終回に間に合わない。「ダンジョン飯」でハートに火が付いて、ここ数年ヒットしたコミックをもっと読みたいとも思っている。それでわざわざ「快活CLUB」にも新しく入会手続きしたほどだが、まだ1回しか行けてない(それも50分だけ)。

 私が「北欧神話」の知識を得る日が来るだろうか。来ない気がするが、本は読みたい。

 そう言いつつ、書店で衝動的に買ってしまった「映画になった恐怖の実話II」も読まねば。


映画になった恐怖の実話II (鉄人文庫)

 表紙のジャック・ニコルソンに魅了されて、ジャケ買いに等しい衝動買いをしてしまったが、今確認したら「Kindle Unlimited」にあるじゃない(もちろんKindle Unlimited会員です私)。買わなくても、読めたんだ。

 毎回、本を買う時は気をつけているつもりなのに、つい「わーー」てテンション上がって買ってしまう。「こんな表紙の文庫本を買う私、見て見て」という承認欲求だろうか・・・この手の衝動買いはやめられない。

 最後は全然違う話になってしまったが(あれ?)、「北欧神話」の本を読むのはまだ先としても、映画「ロード・オブ・ザ・リング」は、できるだけ早めに最後まで観たい。世界観をもっと理解してみたい。

 そして「ダンジョン飯」の最終巻(実はまだ未読)を読むために快活CLUBに行くか、いっそ電子書籍を買うかで毎日、悩んでいる。もっと自由な時間がほしい・・・

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