【読書感想文】「メモの魔力」がメモの話じゃなかったという事実(ファクト)

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 話題のベストセラー「メモの魔力」を読んだ感想です。

 書店で手にとった時は「もう、メモやノートの本は沢山読んだからいいや・・・」と思ったのですが、2019年3月17日の日本テレビ「シューイチ」で紹介されていたのを見たら、いてもたってもいられなくなって(笑)その場ですぐに電子書籍を買いました。

 私個人に関しては、数年前に手帳に目覚めてからというのも「ノート術」「手帳術」「メモ術」「フセン術」「バレット手帳」などの本や雑誌を読みまくり、買いまくりです。

 雑誌は「dマガジン」を契約しているので、ほとんどは「dマガジン」で配信されている日経ウーマンやプレジデントなどの「手帳術」特集を電子雑誌で読む、という感じです。

■ 堀江貴文「情報だけ武器にしろ。」の感想はこちら

 最初にハマったのは「ノート術」、そこあとメモ術の本に影響されて、朝昼晩とメモ用紙を持ち歩いていた時期もありました。その後さらにハマったのが「ふせん術」です。

 こんな感じでかれこれ5、6年の間、アナログな手書きツールのノウハウや使いこなし方を日々研究している私ですが、はっきり言ってどれも帯に短したすきに長し。自分にぴったりという方法論が見つかりません。

 なので書店で「メモの魔力」を目にした時は、
「どうせまた似たような内容の・・・」
 と思って、スルーしました。

 昨年末(2018年末)に「ジブン手帳」にも一瞬ハマって、本体のジブン手帳や、関連グッズ、ノウハウのムック本など買い漁ったものの3ヶ月で挫折。


ジブン手帳公式ガイドブック2019


 なのですぐに「メモの魔力」に手が出ませんでしたが、テレビで見て衝動買いです。やっぱりアナログな手書きツールはやめられない。

目次

「メモの魔力」はノート術


メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)


 実際読んでみると、思っていたような「メモ術」の本ではありませんでした。
 この本に書いてあることを、はたして「メモ」と言っていいのか?これはメモというより「ノート術」ではないのか?というのが正直な感想です。

 ひところ流行ったノート術を覚えているでしょうか?
 東大生・京大生のノート術だの、マッキンゼーのノート術だの、夢をかなえるノート術やその他諸々、ただ黒板やホワイトボードをまる写しするのがノートではない、実際にデキる人は、ノートを別の使い方で活用しているという本が次々出版されました。


東大合格生のノートはかならず美しい (文春e-book)

 無性にノート術を極めたくなった私がその当時(およそ5年くらい前)買ったのが「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか? 」でした。


図解 頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?



 影響されやすい私は早速マッキンゼーのエリート社員も愛用しているという方眼ノートと、著者がおすすめするペンを取り寄せて、何かアイデアを生み出そうとしたものの、長続きしませんでした。
 「メモの魔力」もこの方眼ノート術の本ににていると思いました。ノートを三分割して思考を深める点など、微妙に使い方は違うけど、共通のルールです。

本当にメモしろという本はこちら

 「メモ」と聞いたら普通「備忘録」とか「忘れ物防止」にちゃちゃっと書き留めるものを連想しがちです。事実、方眼ノートから数年後に読んだ「1億稼ぐ人の「超」メモ術 」という本には、とにかくブロックメモを手元に置いて、頭に浮かんだアイデアや気付きを片っ端からメモしろという内容でした。


1億稼ぐ人の「超」メモ術



 これも早速実践し、一時期は家中に書き散らしたメモだらけという時期がありましたが、収集がつかなくなって、やめました。

 「メモの魔力」ははっきり言って、備忘録のためのメモの話ではありません。
 メモ帳にまず事実(ファクト)を書き込み、そこから発展させて建設的でオリジナルなアイデアを生み出そうという内容の本です。

 「1億稼ぐ人の「超」メモ術」は実際にメモ用紙に忘れたくないことをメモし、たまったメモを見返して部下に指示を出したり、企画を考えたり、会議で活用したりして自分自身の仕事に役立てるという内容です。

 「メモ→すぐに書いて忘れないように」というのが一般的な概念だと思います。

 「メモの魔力」では備忘録的なメモならロボットやAIでもできる。大切なのはそのメモから思考を発展させて事実→抽象化→転用というところまでメモ帳の中で発展させるノウハウの本でした。
 ここで言う「転用」とはすなわち、最初に書き込んだ「事実」から思考を深めて、最終的にオリジナルなアイデアを生み出す作業、企画を立ち上げる作業が「転用」という言葉に置き換えられています。

フセン術というものもあり

 ああ・・・なんというか、何年も「手書き」のツールを愛用してはいるんですが、ノート術→メモ術→手帳術→フセン術→バレット手帳・・・と、その都度、手書きツールの使い方を変えてきたので、今現在でも「これがベスト」というものが見つかっていない私です。

 方眼ノートと「超」メモ術に飽きた私が次にはまったのが「フセン術」でした。


図解 人生がはかどる「ふせんノート」

 これはまだ去年のことなので、記憶に新しいです。

 とにかく、ようするに私は「飽きっぽい性格」であり「新しいもの好き」なんですね。「新しいもの」は別に最新の流行アイテムということではなく、自分にとって「新しい」ものであれば、なんでもいいわけです。

 フセン術にも一時期ハマって、手帳にびっしりフセンを貼りまくっていました。フセン術にはフセン術の様々なルールや方法論があって、ただやみくもにフセンに書いて貼ればいいというものでもありません。

 フセン術を提唱している方には主婦目線の「あな吉」さんのような方もいれば、「人生がはかどる「ふせんノート」」の著者・坂下仁のようにビジネスよりの方もいて、それぞれにフセンの活用法は全く違います。

 私はとにかく家事育児と仕事を両立させる「あな吉」さんのフセン術にハマりました。


あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術カラー実践版 (別冊すてきな奥さん)


 これはそのまま「備忘録」としてのフセン術です。スケジュールや家事育児の段取りを、フセンを使って管理すると簡単になるという内容です。

 ビジネスマンでもなく、企画やアイデアをつねに生み出さなくてもいいような方の場合は「メモの魔力」よりあな吉さんのフセン術をおすすめします。

今はバレットジャーナルをやってます

 一瞬「ジブン手帳」に浮気したあと(笑)、昨年後半から2019年3月の現在まで続いているのが「バレットジャーナル」です。

 これも「備忘録」のメモの話です。

 とにかく、忘れたくないこと、やるべきこと、思いついたことをノートに箇条書きでメモしていくという点は、「超メモ術」や「フセン術」と似ているのですが、いちいちメモ用紙を1枚ちぎって書くとか、フセンを一枚はがして書くとかしないで、ひたすらメモ帳に箇条書きにしていき、実行したらチェック欄に印(しるし)していくというシンプルな方法です。

 主婦でも会社員でも、学生さんでも、
「明日はあれをやって、あれを買って、あそこに行って。明後日はあれがある。来週の予定も・・・・」
 というスケジュールや買い物、仕事内容があると思います。それを一冊のメモ帳にとにかく列記していくというシンプルさが今のところ気に入っているのですが・・・ただ、読んだ本の気になるキーワードとか、テレビやラジオで小耳に挟んだ気になる情報とか、片っ端からバレットジャーナルに箇条書きにしていくと膨大な量の備忘録ができあがり、なかなかタスクが実行できない。そこがやっかい。


「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル

 ということで、何が言いたいのかわからなくなってきたけど(笑)、「メモの魔力」と聞いて、備忘録やメモすることそれ自体の本と思ったら間違い。メモから発展させてアイデアを生み出すノウハウの本です。

「忘れっぽくなってきたので、メモに書いて忘れないようしたい」
 という方はバレットジャーナルがおすすめ。

「スケジュールが常に移動しまくりで、決まらない」
 という方にはフセン術をおすすめします。フセン術のいい点は箇条書きのようにフセンを貼っていっても、フセンを入れ替えたり、移動できるところです。

「今まで手帳を使っていなかったけど、使ってみたい」
 という方には、ジブン手帳があれば一通りのものが一冊にまとまっているので、低予算で手帳ライフをスタートできます。

 「メモの魔力」は、
「なんかいいアイデア、ないかなあ。いい企画、思いつかないかなあ」
 というクリエイティブな作業が必要な方向けのノート活用術の本です。

著者は前田裕二さん

 著者は双方向コミュニケーションの仮想ライブ空間「SHOWROOM(ショールーム)」代表の前田裕二さんです。



 TOKYO FMで前田裕二さんの「SHOWROOM主義」というラジオ番組も放送されています(毎週土曜日25:30-26:00放送中)。

 ラジコのタイムフリー機能を使って直近の放送を聞いてみたら、前田裕二さんの口調が予想に反してものすごく静かで、ささやくような感じだったので驚きました。

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